今週のアニメ業界関連ニュースまとめ 2024/6/11 #149
今週のトピックは何と言っても、ガイナックスの破産でしょう。近年、多くのアニメ制作会社がM&Aで大手の会社に買われたりしてきました。ガイナックスも当然対象になっていたはずですが、内情を精査すると、手を引くところも多かったのかもしれません。
株式会社ガイナックスからのお知らせに関して
以前より経営悪化の報がありましたが、とうとうガイナックスが破産してしまいました。会社が旧経営陣によって私物化されていたようです。アニメに限らず、映像制作会社はこうした問題がしばしば起きます。根源的な問題があるように思います。
▼株式会社ガイナックスからのアナウンス
https://www.gainax.co.jp/
氾濫する生成AIアニメ 9万枚調査で見えた権利侵害
二次創作文化は、権利者に配慮しつつ「日陰」で展開されてましたが、生成AIによって爆発的に表に出てきました。さすがに影響が大きいので、各方面で対応が迫られています。なお中国でも→「中国の広州インターネット法院(裁判所)は2月、AIが生成したウルトラマンに酷似する画像に関して著作権侵害を認定する判決を出した」とのこと。
日本人が気づいていない、海外で売れる“ライトな”アニメグッズ
「欲しいアニメグッズ」→「衣類/ファッションアイテム(33%)や日用品/インテリア(18%)」。愛でる以外の用途がないグッズよりも、日常使いのものが需要があるようですね。
アニメや和食などの関連産業の成長へ 政府が新戦略まとめる
10年以内に50兆円の経済効果とは、かなり大胆な打ち出しです。ただ日本のアニメ産業市場も10年で倍の3兆円規模になっているので、あながち夢物語ではありません。官民一体となり推し進めるときです。
『ミラキュラス レディバグ&シャノワール』日本展開5周年記念 TOEI ANIMATION EUROPE 代表・河内隆次さんインタビュー|日本アニメを海外で成功させるために必要な条件とは?
ポイント→「日本のアニメ市場は、ある程度上の年齢層がターゲットになっていますが、ヨーロッパ市場では、4歳〜10歳の子どもたちを狙っています。作品を成功させるにはマスマーケット(大手のショッピングモールなど)の開拓が大変重要」。僕もアニメ制作会社時代、海外担当と同じようなことを話し合ってきました。配信が盛んになっても、この辺りは不変なのでしょうね。
「セクシー田中さん」報告書での原作改変巡るトラブル アニメ業界ではあるのか?
アニメ業界でももちろん頻発しています。原作どころか、脚本さえも「素材」として演出してきた出崎統監督のように、強い作家性があるクリエイターもアニメ業界にはいます。間に立つプロデューサーや編集者は大変でしょうが、そうした相克の中から傑作が生み出されてきたのも事実。良い/悪いの2元論ではないです。
「非モテ」団体がアニメを悪用して日本人を獲得、潜入ジャーナリストが告発
なかなか物騒なお話しです。「日本のポップカルチャーやアートが極めてmanipulative way(操るような巧妙な方法)で、欧州の極右のコミュニティーに悪用されている」とのこと。心のどこかで憶えておいた方が良いでしょう。
モノノ怪:18年の時を超え伝説アニメがテレビ放送 「怪 ~ayakashi~ 化猫」「モノノ怪」 6月12日からテレビ東京で
ノイタミナの看板アニメだった『怪~ayakashi~』がテレ東で再放送とは珍しいです。番販のライセンスをどこが持っているかも気になりますが、再放送の枠を購入しているのか? テレ東がライセンシーとして放送するのか、スキームがちょっと気になります。
アニメ「鬼人幻燈抄」放送が延期 来年2クール連続でのオンエアを予定
ここ最近見かけなかった放送延期のニュースです。コロナ禍を経て、アニメの制作体制も安定してきました。アニメ『鬼人幻燈抄』の延期が、個別の問題なのか、業界全体のトレンドなのか、見極めが必要です。