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今週のアニメ業界関連ニュースまとめ 2024/11/5 #170

クリエイティブよりも、ビジネス関連強めのアニメニュース・記事をキュレーションしています。
アニメは知的財産の一種であるので、きちんとした情報の取り扱いが求められます。しかしながら、定期的に「不正確」な記事がメディアで展開されるのは何故だろう……と思ったりもしています。


アニメ界に食い込む総合商社。アニメ『チ。』は伊藤忠、丸紅は小学館と新会社

10月に放送を開始したアニメ『チ。 ―地球の運動について―』が話題を集めています。

総合商社には、以下の機能があると説きます。

①海外での販路開拓、世界市場でのIP管理
②製作費が高騰するなか資金力があるので、投資回収リスクに強い
③投資回収の青写真を描くうえでアニメコンテンツをポートフォリオとして管理できる潜在能力

もっともな面もありますが、現在の海外販売事情は、大手プラットフォーマーにライセンスするのが主流なので、商社にはそれ以上が求められているはずです。海外での商品流通の構築やファンとのエンゲージメントなど商社ができることも多いと思います。

なおこの記事の中では、2点引っ掛かるところもあります。

「製作委員会方式には、IP管理が煩雑になりやすい、コンテンツがヒットした場合でもクリエイターへの還元が十分になされないというデメリット」

製作委員会方式で「IP管理が煩雑になりやすい」のは確かですが、クリエイターへの還元については、製作委員会は関係ありません。製作委員会でも、単独出資作品でも、クリエイターの還元は本質的には変わりないです。映画の著作権法にも絡んでくるので、ここは誤解されやすいところだと思います。
製作委員会⇔制作会社⇔クリエイターの関係性では、「制作会社⇔クリエイター」のところがまさしくクリエイターの懐具合に直結するわけで、制作費がUPしても、クリエイターへの支払いが変わらなければ「還元されていない」ということになります。

「『鬼滅の刃』の製作費は1話2000万円~3000万円、劇場版で5億円にも達するとされています。」

製作費の根拠が示されておりませんが、現在の一般的な深夜アニメの相場感であるので、日本のアニメのTOPと言っても過言じゃないほどのクオリティである『鬼滅の刃』は少なくとも、1話2000万円~3000万円では作られていないはずです。

この辺りの精査もおこなってほしい記事でした。

アニメの海外進出、映画祭マーケットからどう繋げる? 東京都の海外展開支援プログラムでセミナーが開催

東京都のアニメ関連企業と個人を対象にした「アニメーション海外進出ステップアッププログラム」のセミナーが、10月10日に開催された。

毎年おこなわれている東京都による、アニメの海外進出支援プログラムの紹介記事です。実際に東京都からの支援によって海外のマーケットに参加した方のリアルなコメントもあり、参考になります。マーケットへの参加も単発ではなく、継続したほうがやはり「ご縁」と巡り会えますね。

日経トレンディ「2025年ヒット予測100」の第3位に「ライトアニメ®」がランクイン!

株式会社イマジカインフォス(本社:東京都千代⽥区 代表取締役社⻑:前⽥起也、以下、イマジカインフォス)は、⼤⽇本印刷株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役社⻑:北島義⻫、以下、DNP)と共同で提供する「ライトアニメ®」が、日経トレンディ2024年12月号で特集された「2025年ヒット予測ベスト100」の第3位にランクインいたしました。

サービス発表時に賛否両論のあったライトアニメですが、やはり注目はされているようです。2025年は5作品、2026年は20作品、2027年は50作品を目標に作られる模様。特に、それほど高いクオリティが求められない知育・教育ジャンルなどでは、強い需要が感じられます。

アニメ『NARUTO』『おそ松さん』など制作のぴえろ、韓国アニメ制作会社「RDCH」と業務提携 ウェブトゥーンのアニメ化へ

『NARUTO-ナルト-』『おそ松さん』『幽☆遊☆白書』などのアニメ制作を手掛けるぴえろは30日、韓国のアニメーション制作会社「Red Dog Culture House」(RDCH)と、世界市場をターゲットとしたアニメーションの共同製作及び出資に関して8月に業務提携契約を締結したと発表した。

ぴえろの提携先であるRDCH社は、ネフリアニメの『ラブ、デス&ロボット』なども制作し、ハイクオリティの制作実績があります。ぴえろとはクリエイティブの方向が異なるところもあるので、そこが今回の業務提携の一つの理由な感じがします。

サウジ×日本制作アニメ「アサティール2」放送開始で試写会 サウジ制作CEO「平和へのパスポート」

サウジアラビアの制作会社「マンガプロダクションズ」と、日本の「東映アニメーション」が共同制作したアニメ「アサティール2 未来の昔ばなし」のプレミア試写会が、2024年10月28日に東京都内で行われた。

第1話を拝見させていただきましたが、中東を舞台にした良質なファミリーピクチャーでしたね。東映アニメーションらしさも感じられ、時代を超えて愛される作品になるかもしれません。前作は、「全世界40以上のプラットフォームで配信され、1億回以上の視聴回数を記録」した確かな実績もありますし。

東宝がシンガポールにアジア拠点設立 ゴジラやアニメ作品展開

映画会社大手の東宝は、アジア地域の事業拡大を目的にシンガポールに戦略拠点を設けた。2024年2月に現地法人Toho Entertainment Asia Pte. Ltd.(TEA)を設立、11月1日より事業を開始したと発表した。

東宝の海外進出強化の動きが加速しています。先月、アメリカの配給会社GKIDSを買収し、今月はシンガポールに現地法人を設立です。先行するソニーの背中がなんとなく見えてきたかもしれません。

東映アニメ、2Q(4~9月)決算は売上高6%増、営業益49%増 昨年の映画「スラムダンク」大ヒットの反動減こなし過去最高業績を更新

東映アニメーション<4816>は、10月30日、2025年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」の海外配信権販売・国内外の版権事業、 「スラムダンク」や「ゲゲゲの鬼太郎」の国内配信権販売が業績を牽引し、売上高・利益ともに過去最高業績を更新した。

劇場アニメ部門はさすがに減収となっていますが、他が絶好調なので、過去最高業績になったとのこと。東映アニメが強いのは、シリーズアニメでも『ガールズバンドクライ』などの意欲作に投資を続けている面もあるのでしょう。歴史のある海外事業は言わずもがなですが。

VTuberプロジェクト「ぶいすぽっ!」長編アニメ企画が始動 CVはVtuber Ver.と声優Ver,の2種を制作

VTuberプロジェクト「ぶいすぽっ!」の長編アニメーション企画が始動した。制作を支援する「ぶいすぽっ! STUDIO MEMBERS」の募集も始まった。

VTuberとプロ声優の2バージョンがあるのが面白いですね。実験的ではありますが、アニメ『ポプテピピック』も普通に受け入れられていたので、こちらも特に問題ないのでしょう。テレビではなく、主戦場がネット発ということもあり、展開にも注目です。




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