今週のアニメ業界関連ニュースまとめ 2024/11/12 #171
クリエイティブよりも、ビジネス関連強めのアニメニュース・記事をキュレーションしています。
先日開催された「TIFFCOM 2024」で、2023年度のアニメ産業市場は3兆3,465億円になったと発表がありました。コロナ禍を克服して絶好調のアニメ業界ですが、今週も景気の良いニュースが続いています。
日本アニメが世界で成功する秘訣は“国内ファン向け”に作り続けること
重要な指摘→「米大手投資銀行ジェフリーズのアナリストによれば、2023年に312億ドル(約4兆7700億円)規模だった世界のアニメ市場は、2030年までに600億ドルに成長する見込み」。日本国内の専門家の間では、アニメは今の2倍の成長余地があると見込まれており、海外のアナリストからも同様の予測が示されています。市場の拡大は今後も右肩上がりで続くことが、既定路線であると言えるでしょう。
伊藤忠が狙う「アニメ・IPで1000億円」構想の衝撃
丹念に取材がしてある良記事です。伊藤忠は「香港にアニメやキャラクターのライセンス代理店・Rights & Brands Asiaを設立」したのがデカかったですね。「ムーミン」も成功しているようですし、「おぱんちゅうさぎ」含めこのまま次のIPが育てば、かなりのコンテンツプレイヤーになると思います。なお記事では「総合商社は"アニメビジネスから一度逃げたプレーヤー"」といった歴史にも触れています。アニメなどのIPは、商社が扱うには労多くして功少なしのビジネスでした。細かい対応が求められるので、今後の課題は、どこまで今までの商社スタイルが脱却できるかにかかってるのではと思います。
MANGA総研が第0回マンガアニメのIPリサーチ調査実施マンガ・アニメIPのグローバル市場規模は約3.7兆円超に!IMART2024追加情報等
アニメの市場調査はどこまで「範囲」に含めるかが難題で、例えば『ONE PIECE』などもどこまでが漫画IPなのか? あるいはアニメIPなのか? という問題がつきまといます。今回の調査は、その辺りはバッサリ割り切っておこなわれた感じですね。これも一つの「目安」でしょう。
TBSテレビ、第2四半期のアニメ部門の売上は「五等分の花嫁」の二次利用収入で大幅増収 番組枠増加に伴うコスト増で大幅減益に
他のキー局同様、TBSもアニメ放送枠を増やしています。今回の業績は減益ではありますが、織り込み済みでしょう。アニメは放送しただけでは収益化は困難です。二次利用含めた展開があって、はじめて利益に繋がるので、四半期決算ではなく、もう少し長い目で業績を追う必要があります。
アニメを描く技術など問う初の技能検定 全国6か所で開催
「16歳から61歳までのおよそ350人」が検定に挑んだとのこと。即、アニメ業界で働きたいという方々ばかりではないと思います。とはいえ、裾野を広げることは大事なので、末永く続いてほしい検定ですね。
ABEMA秋アニメ、初速ランキング1位は『チ。 ―地球の運動について―』 再生数&コメント数で二冠
今回のABEMAや他の指標から鑑みても、『チ。 ―地球の運動について―』が今期の秋アニメでは1番勢いがある作品ですね。NHKアニメがここまで人気が出るのは珍しいです。12月になっても継続するか注目しています。
博報堂DYグループ、アニメーション広告の普及と革新をめざし制作効率化ソリューションを提供する「株式会社ZETTAI WORKS」を設立
ソリューションと言っても、博報堂内でアニメ制作するわけではないので、制作スタジオへの外注になりますね。基本的に広告映像はフルスクラッチのものが求められると思いますので、どこまで省略化できるか気になります。