今週のアニメ業界関連ニュースまとめ 2024/7/9 #153
クリエイティブよりも、ビジネス関連強めのアニメニュース・記事をキュレーションしています。
今週はアニメ含めたコンテンツファンドのニュースが2つありました。コンテンツファンドでいうと、かつて『フラガール』を生み出した、ジャパン・デジタル・コンテンツ信託もありました。紆余曲折あり結果、金融庁から信託免許の取り消し処分を受け、事業活動が停止してしまいます。今回の2つのファンドが、同じ轍を踏まないように願っています。
アニメーションスタジオ「STUDIO DOTOU」株式会社KASSEN、株式会社WACHAJACK、CHOCOLATE Inc. 合同設立株式会社ポニーキャニオンと業務提携
新スタジオの設立のニュースです。伝統的なアニメ会社が出自ではないこともあり、公開が予定している『KILLTUBE』も非常に斬新な映像に仕上がっています。スタジオ名通り「怒涛」な展開を期待しています。
アニメ映画のコンテンツファンド、みずほ証券がベンチャー2社と共同取り組み
数土さんの指摘通り、コンテンツファンドは課題点が多いです→「エンタテイメント作品はハイリスクハイリターンの傾向が強く、単独もしくは数作品だけの投資ではリターンを得られないケースが続発」。更に付け加えると、良い企画はファンドに頼らないでも、難なく資金調達できます。ですので、結果としてニ線、三線級の企画しかファンドに集まらなくなり、ファンドは失敗に終わる……というのがパターンです。今回のファンドが、どこまで課題を克服するか注目しています。
K2 Pictures:日本映画に変革を 紀伊宗之が目指す“新しい生態系”
こちらもファンドのニュースです。ただ、みずほ証券の方とは違って、映画プロデューサーの紀伊宗之さんが中心にいるので、単に投資家が収益を上げるだけの仕組みにはなっていません。「7:3で投資家とクリエーターに分けようとしています」とのこと。台風の目になるかもしれません。
Production I.G 和田丈嗣が語る“日本アニメの現在地” 「一段上のステージに上がる時期」
現在アニメ市場を牽引しているのは海外ですが、日本同様の展開ができている訳ではありません。記事の中でも、「アニメは観るだけで終わらず、グッズを買ったり、イベントに参加したり、他のファンと共有することでさらに好きになる」とのコメントがあります。ここからは地上戦になるので、キツい展開になりますが、ステージが上がれば、当然の流れでしょう。
「日本でヒットするエッセンスが入っていないと、結局は世界に広がらない」アニメ専門チャンネル『AT-X』の代表らに聞くアニメビジネスと配信事業の可能性【短期連載インタビュー】
AT-DXの関連記事ではありますが、AT-X全体のお話しですね。熱い情熱が多々です→「社内の人間全員がアニメへの熱い思いを持っている」。専門の放送チャンネルだからこそ、見えている景色もありそうです。
『ガンダム』富野由悠季監督が語るオーバーツーリズム問題 失われる文芸との「境界線」
富野監督曰く→『「アニメ」と付くことによって本来認知されなかったものが世間に認知される』。確かにこうした傾向はあるのでしょうね。作品の内容以前に「アニメ」として認知、普及していくトレンドはあると思います。
アニメや映画等コンテンツを活用した地域の観光振興を支援!アニメ等コンテンツを活用した誘客促進事業
「都内区市町村」と「観光振興団体」を対象に、東京都が補助金を供出します。以前もおこなわれていたので、「成果」もあったのでしょう。今後も期待します。
[農コミ!!]令和のサクナヒメ! ぐうたらっ子稲作奮闘記①(動画あり)
農協の新聞である、日本農業新聞がここまでアニメについて取り上げたことはなかったはずです。『天穂のサクナヒメ』のコラボ漫画連載も始まりました。農業の関連人口が増えると良いですね。
アニメ産業の将来 現場支える視点が必要だ
毎日新聞の社説です。アニメの二次利用の市場は、一次利用の10倍程度もあります。しかしながら、権利的にはなかなか現場に還元はしにくいので、単価の値上げなどでコツコツベースをアップしていくしかなさそうです。