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今週のアニメ業界関連ニュースまとめ 2025/2/18 #185
クリエイティブよりも、ビジネス関連強めのアニメニュース・記事をキュレーションしています。
『ジークアクス』は今年の前半を牽引する作品になりつつありますね。話題的にも興収的にも大成功を収めて、このままテレビ放送に突入します。同時に配信展開もおこなわれるので、ここでまたブームの山が来そうです。
ガンダム『ジークアクス』本編上映後に“特別映像”追加決定 興収25.3億円、動員155万人突破
スタジオカラーとサンライズが初タッグを組んだ、アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(全国公開中)の本編映像の上映後に、2月22日から“特別映像”が追加されることが決定した。
これだけ大ヒットしている最中ですが、そろそろ上映も終わるような記事も見かけました。テレビ放送との兼ね合いなのでしょうかね。とはいえ、興収が25.3億円とは立派です。去年の邦画で、第10位は、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』で興収36.0億円でした。「ジークアクス」もこのままいけばベスト10入りする確率は高いので、もうしばらくは上映してほしいです。
アニメ産業崩壊リスクに国連も警鐘-低賃金や長時間労働の是正急務
「声優という職業では、とても食べていけない」。首都圏に住む柴田由美子さん(60)は20代のころ、人気アニメに声優として出演する傍ら、夜は六本木や銀座のナイトクラブで働いて生計を立てていた。
色々と問題点が指摘されていますが、アニメ業界は数十年前から「崩壊する」と言われ続けて、今に至っています。逆の見方をすれば、それだけ産業として「強い」のでしょう。なお本記事は幾つか誤りも見受けられ、引っ掛かるところもあります。結論ありきの論考だと感じました。アニメの制作費そのものは、製作委員会時代になって上がっておりますし、委員会を一概に「悪」と決めつけるのはいかがなものかと。
なぜ中国アニメは3D、日本アニメは2Dが主流なのか?―中国ネット
2025年2月1日、中国のポータルサイト・騰訊網に「中国アニメはなぜ3Dが主流なのか?。一方、日本アニメはなぜ2Dが多いのか?」と題した質問があり、これに中国の登録経済士(経済・経営・財務・市場分析などの分野で専門的な知識を持つ国家資格者)で、登録積算士(建設・インフラプロジェクトにおけるコスト管理や積算を専門とする資格者)のネットユーザーが回答を投稿した。
よく話題になるテーマですね。人的資源が豊富な中国は、CGの方が作りやすいのは確かでしょう。工業製品のように生産できる側面もありますし。2Dの手描きは、「アート」による部分が多々なので、アンコントローラブルになることもあります。また、日本では漫画文化からアニメが発展してきたので、手描きの方が表現的にも相性が良いところもありますね。
マット・アルト「日本は文化戦争への備えができていない」(2025年1月23日)
今週、私はある経済団体から招待され、一連のプレゼンを行ったが、その中で、アメリカの右傾化(というか、もっと正確には「トランプ化」)が今後の日本の文化製品の消費にどんな影響を与えるのかについて説明するように求められた。
確かにアメリカの「文化戦争」に巻き込まれる可能性はありそうです。日本でもアニメや漫画は、公共物としてふさわしくないと叩かれるときもありますし。ただ今のアメリカで、日本のアニメや漫画を叩く「余力」はなさそうにも感じています。
サイバーエージェント、CyberAgent America, Incを新始動
サイバーエージェントはCyberAgent America, Inc.(以下:CA America)を、サイバーエージェントおよびサイバーエージェントグループが関わるアニメコンテンツのグローバルマーケティングに特化した子会社として、新体制にて始動することを発表した。
このところサイバーエージェントが、アニメ事業やIPビジネスに注力するニュースが相次いでいます。サイバーは傘下にアニメスタジオも擁しますし、ネット発のアニメ事業会社では国内随一になりつつありますね。
テレ朝HD、アニメ枠「IMAnimation W」を4月より新設 アニメ編成拡大、IP活用でビジネス拡大目指す 壽屋やBookLiveとの協業も推進
テレビ朝日ホールディングス<9409>は、中核子会社のテレビ朝日が新たにアニメ放送枠「IMAnimation W」を2025年4月より水曜深夜に新設することを決算説明資料で紹介した。
壽屋とBookLiveの連動案件も進行中ですし、テレ朝のアニメ事業は着々と展開されていますね。新枠のアニメも4月から開始されますし、ひとまずは手札が出揃った感じです。
日テレHD、第3四半期のアニメ事業の収入14.7%減、収支26.8%減 前年『アンパンマン』中国MG反動減 1月放送開始の『薬屋』と『エパリダ』好スタート
日本テレビホールディングス<9404>は、第3四半期(24年4月~12月)における日本テレビのアニメ事業の収入が前年同期比14.7%減の43億0300万円、収支が同26.8%減の16億0100万円だったと発表した。
収入と収支の推移を確認すると、2024年の第2クオーターが突出しています。ここが『アンパンマン』の中国MGの売上部分だったのでしょう。収支のトレンドを見ると、やや右肩下がりなのが少し気になります。