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《シルクスイート × 石焼き芋》 #おいも研究でベースとなる品種と機材。それらを選んだ理由。

#おいも研究 を更新していくにあたり、そもそもどの品種・機材をベースに更新していくのかをはじめにお伝えします。

おいしい焼き芋に「こうすれば絶対に正解。」というものはなく、

焼き方やさつまいもの品種によってなどで、美味しさの引き出し方は変わってきます。


さつまいもの品種・使用する機材(焼き方)

基本的には・・

品種・・・シルクスイート(特定の生産者)

機材・・・いもランド AY-1500(石焼き芋・アサヒサンレッド製)

を使用したものをメインに更新していきます。

これは美味しさを求めての結果です。

品種によっての違いや、焼き方によっての違いの比較もしていく予定ですが、基本的には《シルクスイート × 石焼き芋》という条件の中で美味しさを追求していきます。


焼き芋の味の決め手となる要素は『素材』と『焼き方』

前回の記事にも書いたように、味を決定する大きな要素はこのふたつ

「素材」と「焼き方」です。

おいしい焼き芋の決め手は焼き方なのか、素材なのか。(コーヒーと焼き芋の共通点)


《素材》 シルクスイートを選ぶ理由

結論から言うと、比べてみて焼き芋にしたとき一番美味しかったのがシルクスイートでした。

農林水産省のデータより、全国の品種別の作付面積の割合を簡単にグラフにまとめてみました。

スクリーンショット 2021-06-06 21.44.54

《参考》令和元年度いも・でん粉に関する資料:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/imo/attach/pdf/r1shiryou-158.pdf

参考データからは、シルクスイートはその他に含まれているので、
おそらく1%以下になるかと思います。(そんなに少ないのかな??)

焼き芋としての用途に限定したデータではありませんが、
作付面積と市場の需要はだいたい一致するはずです。

割合が最も高い「黄金千貫」は芋焼酎や加工品の原料になるものがほとんどかと思います。


作付面積の6〜7割を占めている以下の品種

・紅あずま
・紅はるか(紅天使・いもジェンヌなど)
・高系14号(鳴門金時・五郎島金時・大栄愛娘など)
・安納芋(安納こがね・安納紅)

ここに挙げた品種は、様々な生産地・農家さんのものを仕入れて比較しました。
(素材は、同じ品種でも作り手の農家さんの育て方や土壌などによって味は大きく変わるためです)


この他にも、
ハロウィンスイート・ふくむらさき・紅まさり・あいこまち等々
焼き芋として人気のある品種を実際に焼き芋にしてみて比べました。


シルクスイートは、2012年から種苗の販売が開始された比較的新しい品種です。
それもあって農林水産省のデータでは統計の対象になっていないのでしょうか・・?

紅はるかや安納芋とも比べられたりと、
焼き芋では評価も高く、一般の方にも知られています。


千葉に限ったデータになりますが、
2012年から作付面積は徐々に拡大していき、2017年には14%を占めています。
2021年現在はおそらく更に拡大しているかと思います。

千葉県 高品質サツマイモの安定供給による産地の強化
https://www.maff.go.jp/j/seisan/gizyutu/hukyu/h_zirei/h30/attach/pdf/index-81.pdf


数字の話はさておき、
シルクスイートは、熟成の期間・生産地域の土壌環境・生産者によって本当にさまざまであるものの、
いろいろな品種・生産者のさつまいもを焼き芋にしたときに、
圧倒的に美味しいものに出会えたのが「シルクスイート」でした。

もちろん、好みの問題もあるかと思いますが、
美味しいシルクスイートは焼き芋にしたときに「舌触り」まで上品です。

味覚の分析について知識はありませんが、
焼き芋を美味しいと感じるとき、
○ 甘さ
○ 食感
○ 香り

が大事なポイントに思います。

甘さだけで考えると、紅はるかは蜜がたくさんでてきて甘いものも多いです。
ただ、それと同時に「食感」はどうか。
たとえやわらか〜い焼き芋に仕上がっていても、紅はるかは縦にはしる繊維質が舌で微妙に感じられることが多いです。
それに対してシルクスイートは、繊維質を感じることはなく、甘い糖分の粒粒のあつまりのようなイメージです。
まさに舌触りがシルク(絹)のようななめらかさを感じられます。

また、食感に関連して、「水分量」にも違いがあります。
水分量は、焼き方である程度コントロールできる要素でもありますが、
シルクスイートの方がうまく水分を飛ばすことで、甘さを身に凝縮させやすいです。
紅はるかは、水分が飛ばないとべちょっとしやすく、実際に口にして比べてみると、甘さが感じられにくかったり、味がぼやけた印象を受けます。
見た目は、てかてかと柔らかそうで、蜜がたくさんあるようでも正体はほとんど水分であることも多いです。

大事なのは、「蜜が多そう」といった見た目より、実際に口にしたときに「美味しい」と感じられるかどうかだと考えています。


香りに関しては、
焼き上げているときの香りにもそうですが、主には口に入れたときの香り。
これはその土地の土壌や肥料に左右されるような気がしています。

いろんなさつまいもを食べていると「これはどこの土地で育った香りがするな。」などと共通の香りが感じられることも、、。笑

この香りに関しては、くささ・苦みやえぐみに感じられることもあり、
なるべくこれが感じられずあっさりしたものを選ぶようにしています。

品種ごとで香りを比べると、安納芋もねっとりと濃厚な甘さがありますが、
カロテンが多いので、かぼちゃや人参にあるようなちょとクセのあるほぐっとした香りを感じられることが多いです。


以上をまとめるとシルクスイートは
【甘さ】…他のねっとり系同様に甘い。また、水分を飛ばして甘さを濃縮させやすい。
【食感】…しっとりととろける。繊維質が感じられず上品な舌触り
【香り】…あっさりとしていて、クセのある香りが少ない

のような特徴があり
焼き芋に適したものを探していく中で
メインで扱っていく品種として圧倒的にいちばんな存在となりました。

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げ、品種に関しての話をしていたら、
焼き方に関して、石焼き芋に至った理由まで辿りつきませんでした笑

次回の記事で、石焼きを選んだ理由を記事にしていきます。

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