2022年1月13日
今日のココ日(ココルーム日記)
「それ、なんですか?」
釜ヶ崎地域に暮らす人のための社会的つながり事業を行うひと花センターでココルームがコーディネートする書のワークショップの時間に、「六秒待て」と書かれた紙を見て僕はそれを書いたオッチャンに聞いた。
「これか?喧嘩せんコツや」とオッチャンは答えた。
「六秒っていうのが肝なんだね?」
「そうや。カッとなってもグッと六秒こらえろ、そしたら気が変わるからっちゅうことや」
「なるほどねぇ」
「そう簡単にはでけへんけどな」
オッチャンは続ける。
「気ぃついたら手の方が先に出てるからな」
そう言って苦笑いするオッチャンの無骨な手を僕はなんとなく見つめた。
「昔はめちゃくちゃしとったからなぁ。警察にもよう言われとったわ、六秒くらい待てへんのかって」
今は喧嘩することもなくなったというオッチャンは「六秒待て」の横に「慈悲観」と書いた。
「仏教の教えや。自分の怒りや執着を沈めるための教えの言葉のひとつや」
一人一人の想いが字によって表される。
書の時間には深い河の流れを見ているような気持ちになることがある。
(書いた人:テンギョー)
現在、ココルームはピンチに直面しています。ゲストハウスとカフェのふりをして、であいと表現の場を開いてきましたが、活動の経営基盤の宿泊業はほぼキャンセル。カフェのお客さんもぐんと減って95%の減収です。こえとことばとこころの部屋を開きつづけたい。お気持ち、サポートをお願いしています