〈創作超短編3〉素直な心
今日は親友と街に出掛け、お洒落なカフェでお喋りしている
「◯◯は優しいね」
その名前は私の名前だ
私が優しい?
その言葉聞いた瞬間
目の裏の何処かにモヤが出た様な気がする
私はそのモヤが何なのか疑問に思わない
会話が続く
「そうかなぁ?ありがとう。
⬜︎⬜︎も優しいよね」
そう話した瞬間何処かの空間がズレた気がした
モヤの様なものも現れている
それでも私はそれを疑問に思わない
私たちは今喧嘩中である
普段はこんな事言い合わない
些細な事で喧嘩して
今日は仲直りしようと思って誘った
先ほどの彼女の発言はただの皮肉である
優しいなんて一ミリも思っていないだろう
私はいつもハッキリとモノを言うタイプ
デリカシーのカケラもないのは彼女もよく知ってるはずだ
私のデリカシーの無さから喧嘩したのだから
…何だか気持ち悪い
こんな私が
今日は喧嘩中の友達とお洒落なカフェでお喋りしている
喧嘩中だというのに割引券が今日までだからって私も付き合わされた
何故だか笑みが出る
喧嘩中だというのに
そんな理由で付き合わされて
こうしてお喋りしている
このデリカシーの無さに
私は何度も助けられた
喧嘩してる事がどうでも良くなる
ありがとう
「◯◯は優しいね」
柄にもなく素直に出た言葉
きっと彼女は私の言葉を
信じてはくれないのだろう
いつもは本音を言ってくれる癖に
こう言う時は素直じゃない
それでもいい
コレは真実である事に変わりはない
きっと彼女は今日の帰りに
唐突に謝ってくるのだろう
彼女は優しくて素直だから
執筆者:千尋ゆか
★普段は有料記事(哲学関連の考察・詞など)を書いている変人です。
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