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【不登校の親の会】情報を届けることのジレンマ
不登校の本質(隠れているその人自身の課題)が見えることと、それを伝えることは別問題。
相手に受け取る準備ができていない場合、わたしたちにできることはあるの? というおはなしです。
親の会を始めたころは、「あの団体はいったい何なんだ?」と、不信に思う先生方もいらっしゃいました。時代は変わり、今では、親の会の存在は先生方に受け入れてもらえるようになりました。当時に比べたら前進していますが、当事者(親)に届くには、まだまだハードルを感じています。
直接、渡すわけにはいかないから、目にとまりそうなところに置いておきますね。
学校に配っても、なんらかの用事があって学校に行ったときに、たまたまそこに置いてあったパンフレットに気づき、それを手に取る、もしくは「あれは何?」と聞くことができる方にしか、情報が届かない現実があります。
学校を責めてるわけじゃないんです。
このもどかしさを、切り拓く突破口がどこかにあるのか?
切り拓こうと思うこと自体がムリゲーなのか?
課題の分離ができておらず、わたしたちが介入・干渉し過ぎているのか?
悶々としているのです。
直接、渡せない理由は、ひとことでいえば「保護者が傷つくから」なのでしょう。
不登校を受け入れられない・受け入れたくない。
自分の子は「不登校」だとレッテルを貼られたような気持ちになる。
「少し休ませたら学校に行けるようになるだろう」そんな期待が打ち砕かれる。
その一方、「別室やセンター相談室、スクールカウンセラーなどの相談先、通信制高校の紹介など、学校は何も情報をくれなかった」という不満の声も耳にします。
親の会の存在も、知らなかったという方によく出会います。
知っていても、誰かのお墨付きがないと怖くて参加できない、という方も多いのです。
コンプラやハラスメントが厳しくなったこのご時世、「傷ついた」と言われることが怖くて、先生の介入が難しい現実。
自分から聞かなければ、何も教えてくれない。
蔑ろにされている。支援してもらえない。
そんなふうに嘆く保護者たち。
このすれ違いは、どうしたらなくしていけるのでしょうか?
自分自身の経験や、たくさんの不登校の保護者さんからおはなしを伺ってきた結果、なんとなくですが、その方の心の現在地と、問題の本質が見えることがあります(もちろん、100%的中しているとは限りません)
見えることと伝えることは別問題で、その情報を受け入れられる心が整っていないと難しい。結局、学校の先生方と似たようなものです。
わたしたちも情報を発信するだけで、待ちのスタンスになっている。
悶々としているけれど、どうアクションを起こせばいいのか、日々わからずにいます。