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心に降りてくる言葉〜もう一人の私〜
会社でたまに話す人がいた。
話すと言っても仕事中にすれ違う事があると、お互い少し小言を言って作業に戻る程度。
当時は年上であることはわかっても年齢は知らない。プライベートな事を話す間柄でもないが、結婚指輪をしているので既婚者なのはわかる。
ある仕事帰り車を運転していたときの事。
「彼女が既婚者なのは結婚指輪でわかるが、子供いるのかな?…でも子供がいる雰囲気というか感じはしない・・・そしたら旦那さんと二人暮らし?」
そんなことを考えていると…
『二人ではない』
どう伝えればいいのか分からないが、言葉ではない何かが心に落ちてくる。
なんというか、ふと忘れてた昔の思い出が頭によぎるような感じと言うか・・・不思議な感じ。
なので私は誰でもないその声のようなものと会話をすることにした。
「二人ではないとすると、どちらかの両親と住んでいるのかな?」
『3』その数字だけが心に落ちてきた。
「3?舅か姑さん?それか自分の両親?」すぐに答えが返ってくる。
『兄弟』
「兄弟?旦那さんのお兄さんか弟さんとか?」
『・・・』今度は静かだ。
私は質問を変えた。
「彼女の兄?弟?」
『弟』そう返ってきた。
私は考えた。
私は当時30才位。少なくとも彼女は私より5歳は上だと思うので、弟さんは私と同世代くらいか?…それとも一緒に住むくらいだから、凄く年の離れた弟さんとか?
弟さんだとしたら姉のおっとは義理の兄と鳴るんけだが、はたして一緒に住むことを許すだろうか?
何か理由があるのか?もしかしたら鬱で働けないとか何か病気なのかな?とか想像していた。
まぁ、人の家庭なのであまり考えないようにしよう・・・。そう思い運転に集中した。
▲▽▼△
答え合わせは意外にも早く訪れた。彼女が飲みに行こうと誘ってくれたからだ。
その飲み会で弟さんが鬱で就業が難しいことを聞いた。3人とワンちゃんで暮らしていることが分かった。
わたしは鳥肌が立った。
何気に運転していて、ふと考えたことに返事をするかのように心に語りかけてくる声。これは初めて起きたことなのだが、今後似た経験を何度かすることになる。この心に落ちてくるこれは.何なのか答えはない。