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『新未来抄/gaia』レビュー

01.forever ~忘却の彼方~

浮遊感があって幻想的。白系楽曲として完璧な要素が揃っています。優しくて、でもどこか切なくて、やっぱり優しい。サビ前のピロピロ音が最高のタイミングで入っているなと。
イントロとアウトロに入る「ひゅおー」って感じの音が風音の様で、楽曲に包まれているかのような感覚になります。「genesis as ideal area」というデモテープにも収録されていますが、gaiaのデモテープは「新未来抄」が圧倒的出回ってる数が多いので、これで聴くのが1番手っ取り早いと思います。

02.mind valley

バンドサウンドとデジタルサウンドの融合で近未来感のあるアレンジでこの作品のタイトルにピッタリな1曲だと思います。
どこか無機質さを感じるのに、精神の中に入り込んでくるような、メカニカルな要素があるように思います。楽曲を久しぶりに改めて聴いた際に、ギターソロがクールで個性的なことに気付かされました。一度注目して聴いていただきたい。2番の頭のトーンダウンする感じが、TRANSTIC NERVEの「Whisper」を連想する感じで、耳馴染みが良かったです。
アウトロの最後の1音に「昇華」を感じました。

03.Eye's ~消える色彩~

本当にもっと評価されるべき楽曲のひとつ。
「mind valley」とは打って変わって(?)心が揺れ動く切な疾走感ソング。1曲目は爽やかな優しさを強く感じる白系楽曲という印象でしたが、こちらの楽曲は温かみのある優しさを強く感じる白さで、同じ白系でもこう印象が変わるのが面白く、同時にgaiaの白系のバラエティに富んだ楽曲のクオリティの高さを素直に評価したいと思わせられます。
gaiaの楽曲の中では比較的一般ウケもしそうな王道な良さがあり、ギターソロの伸びやかさ、そして印象的なドラムの音。gaiaの楽曲は軽やかな音色のドラムが楽曲に個性を出していると思っています。好きです。

04.新未来抄 -G.T mode 2023-

こちらのデモテープのタイトル曲の位置付けとなる作品で、SE楽曲。SE楽曲で尚且つタイトル曲になるものは1曲目に持っていきがちなイメージですがこちらはテープの〆に配置されていて、これからのどうなって行くか分からない遠い未来を見据えているような楽曲だと感じています。作った当時に想像していた2023年と既に過ぎてしまった2023年。聴いて感じるものが違ってきそうですね。
個人的な感想としてはgaiaの楽曲の中では珍しい、聴いてて不安になる、不気味さのある楽曲だなぁと感じています。エフェクトの掛けられた無機質な声、不安げのあるバリッバリのデジタルサウンド…当時ここまでデジタルに振り切った楽曲をやってたV系バンドって既に結構いたのでしょうか?自分が聴いてきたデジタルサウンドのアーティストでいうと、ダークで無機質な感じがI've辺りの雰囲気に近いかなぁと思います。

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