夏の思い出 -大学の夏期講習-
今から数年前、社会人になって通信で入学した大学の夏期講習。
夏期講習では、一週間、月曜日から土曜日までで講義とテストを受け、
午前に1科目二コマ(確か一コマ1時間45分)を受け、テストで合格点であれば2単位(語学は1単位)もらえ、午後も同様であった。
なので、午前、午後両方履修しテストで合格の評価(C以上)だと、1週間で4単位の取得が可能。
その年は大学にかける時間をたくさん確保をし、三週間講義を受け、
1科目は中国語だったため、全て講義を受け、テストで合格点を取れば11単位を取得する予定だった。
一週間で最大4単位取れるというのは期間が短く、楽ではないかと一見思うけども、実はこれはハードだった。
毎日朝9時頃から夕方の6時過ぎまで講義を受け、そこから帰宅し予習復習、または図書館か近くのカフェで勉強をし夜帰宅し、早朝通学し予習→講義の繰り返し。テスト前日の毎週金曜日→テスト日の土曜日朝は二科目のテスト勉強のため、ベッドで寝たのは仮眠程度。
でも今思い返すと、とっても充実していた時間で、卒業して約一年半が経った今、とっても贅沢な経験ができたのだと思う。
先生方の充実した講義内容だったからしっかりと予習復習をしてから臨みたかった。
とある一週間、午前は中国語、午後は国際政治学というスケジュールだった。
国際政治学は自分の専門科目で絶対に受けたかった教授の講義。
中国語は、第二外国語として何か一つ学んでおきたかった。そして、高校の選択科目でも履修しており、単位取得と同時に、少しでも中国語で読み書きが上達できたらいいなぁと選んだ。
夏期講習が始まる前、予め中国語のテキストを読み、高校で習ったことを思い出しながら読み書きの復習をした。あとは授業で習うことを復習すればいけるだろうと、中国語の講義が始まるまではそう思っていた。
が、始まってみると、、、中国の大学に留学経験のあるその先生は
発音に重きを置いていた、というか、中国語会話のクラスであり、完璧な聞き取りと、とてもきれいな中国語の発音を求められた。
シラバスにそう書いてあったかは覚えていないのだけど、、、。
難しい中国語の発音を覚えるのは至難の業で、リスニングもとっても難しく、先生が読み上げた自分の名前にも返事ができていなかった始末で。。
先生が留学して会話でとっても困ったから厳しくされていたのはよく分かる。
でも難しい中国語の会話を一週間で一定程度のレベルにもっていくには無理があると判断したのか、毎日一人、二人と受講生の人数は減っていった。
かくいう私も、金曜日までは少しでも中国語が話せるようになりたいから頑張って講義を受けた。でも、金曜日の講義終了後ある決断をした。
私は中国語で少しでもコミュニュケーションが取れるようになりたいけど、完璧な発音はできなくてもいいし、中国語の単位は取れなくてもいい。
でも午後の国際政治学の論述試験は自分の納得できるものを書きたい。
中国語の試験をスキップしてここからの全ての時間は国際政治学の試験勉強の時間にあてようと。
一生懸命に教えてくれた先生や試験でペアを組む予定だったパートナーには少し悪いとは思ったが、私はこの時の選択は本当に良かったと思っている。
元々できの悪い中国語のテストに心ここにあらずで参加したら、パートナーへ悪影響だったかもしれないし。
自分なりに一生懸命頑張ってからの決断だった。
国際政治学の講義はというと、内容が自分の研究したかった範囲とも重なり、その分野を教授が毎回講演会のような中身の濃い講義でとっても興味深く面白かった。
範囲が広く、毎回時間たっぷり講義してくださったので講義後その範囲の複数の書籍を読み、復習するのはその時はただ必死だったけども、時間があっという間に過ぎるほどいい時間だった。
勉強時間を確保し臨んだ国際政治学の試験は自分の納得いくものが書け、
教授は私の採点は甘くないですよとおっしゃっていたけども、
良い評価がいただけて本当に良かったと思う。
夏期講習に限らずだけど、大学の講義、テスト、提出するレポート、そして卒業論文に取り組んでいた時は常に一生懸命、全力投球だった。
当時はそれが当たり前だと思っていたし、大学卒業は一つのゴールだと思っていたけども、卒業論文を書いていて、より追及したいことが見つかり、始まりなんだと気がついた。
大学で教えてくださった先生方や一緒に指導を受けたみなさん、そして、入学願書を取り寄せ、出張中のビジネスホテルで寝る間を惜しんで入学審査の小論文を書き、締め切り日当日に願書を提出した当時の自分にも感謝している。
卒業してしばらくたった今、また当時のようにエネルギーをかけることを始めたいと思う。