【アメリカで幸せを探す旅②】英語初心者で妊婦のOLがアメリカの田舎で全米アライアンスプログラムを修了した話
30歳のOL、アメリカに行くと決めてから、仕事終わりにガランとした夫の居なくなったマンションに戻り、アメリカの住む区域のヨガスタジオ、ヨガのインストラクターのプログラムをしているところを探し始めた。働き盛りの30歳で、キャリアをストップしていくからには、もしも時間ができたらしたいと思っていること、憧れていたナチュラルなライフスタイルをしたいと思っていた。田舎なので、車なしには何処にもいけない。全米アライアンスを取れるヨガスタジオはひとつしかなかったので夫にヨガスタジオがある居住区の家を探して欲しいとお願いしていた。
アメリカ独立記念日July 4thにアメリカに到着し、あちこちで独立記念日を祝う花火や音楽でD.C.は賑わっていた。都市の賑わいに圧倒されたのも束の間、住むエリアはそこから4時間車で運転してたどり着いた東京とは考えられないくらい都市から離れ田舎であった。東京やD.Cのように人々で賑わい、沢山のお店やレストランが集まる街とは打って変わり、街並みはなく、買い物するためのスーパーが単独で立っているような、緑の多い田舎街だった。
英語レベルの低さで、全米ヨガアライアンスを受けるか、受けないかで2ヶ月程悩み、英語ができなくても、受けながら上達するかもしれないと言う期待を持ち、夫に背中を押されてヨガプログラムの申し込みをした。
毎週火曜の夕方から3時間と、隔週で土日終日の授業でした。分厚いファイルを受け取り、アナトミー、ヨガ哲学、ポーズ、歴史、コミュニケーション、ヨガセラピー、ヨガビジネスなど数えきれないほどの様々なクラスを200時間受けた。
一番初めの授業は、自己紹介とプログラムを受けようと思った理由を話す場面があった。ネイティブのアメリカ人のクラスメートがなんと話しているのか、まったくわからない…それが初日だった。自分の自己紹介もままならず、、毎回のクラスは、喋らなければならない場面や、テストでは、どきどきのし通しだった。クラスでただ1人のアジア人、しかも英語が満足に話せないというハンデがあり、周りのクラスメートで気にかけてくれる人がいて、涙が出るほど嬉しく、励まされた。
日本にいたら、企業での勤務経験もあり、大抵のことはなんでもこなせる自信があったはずなのに、ここではまるで無力。自分もグループに参加しているけれど何を話しているのかが分からない、皆が何を笑っているのかがわからない、何の課題が大切と話していたのかもわからない…というように幼児のような気持ちになったのをよく覚えている。常に誰かに助けてもらわねば何もできなくて、ついていくという日々の繰り返し。仲間たちとのネイティブイングリッシュについていけるはずもなく、分からなくても微笑む、分からないことは、聞く、わからなすぎたら、重要なところだけ何とかしてキャッチし、あとは、潔く諦める、捨てるというスキルとマインドも得たように思う。完璧になんてこなすこと自体が到底無理だから。底辺の理解力だけれど、忍耐力と、わからないなりにわかろうとする行動力、プライドを捨てて何度も聞くという忍耐力がついたように思う。31歳で、常に皆の後を走り、まるで追いつかないけれど追い続けるという経験は、堪えた。
できない自分を見つめるのではなく、第二外国語学習者だけどチャレンジしないよりする、という一歩を踏み出していることを認めよう、大方分からなくても、できることを0から1にしている自分を認めてあげようと思った。ヨガ経験は2年ほどあるのでポーズを取ること自体は苦労しなかったけれど、カルマヨガという、自身がつくったコミュニティで、奉仕として英語でヨガを教えるという課題は、とても重く感じた。どうやって、アメリカで見知らぬ人ばかりの中でコミュニティを探せばいいの…?英語のインストラクションはどうやって組み立て、覚えたらいいの?と、ありすぎる分からないことに頭パンク状態。
結果的にテストをパスするための最短距離を見つけることが大切だと悟った。英語のインストラクションの順番を書き出し、またYouTubeで、英語でヨガを教えていて、字幕を見れるよう設定されているチャンネルを探し、ポーズの説明やインストラクション、メディテーションなどのインストラクションを板書起こしをして、表現の肉付けをしたりした。Focus on your mind, listen to your mindという言葉がとても好きで、取り入れたり好きな言い回しをYouTubeからたくさん見つけて参考にさせてもらったなと思う。書き出した自分のインストラクションを暗唱して、頭に入れ、ポーズを取る際に口を突いて出てくるように準備をした。
ヨガの課題、奉仕のヨガはESLという市が運営する、第二外国語の人のための英語のクラスのクラスメートのメキシコ人、アルジェンティーナ、韓国人などに声をかけて、10回実施開催した。自分と同じ英語レベルの友だちに対してヨガクラスをすることで、少し緊張も解れたし、すごいよ、よく頑張ってるよ、癒されたよ、リラックスしたよ、という毎度のThank youにとてもとても励まされたし、自己肯定感が高まったようにも思う。教える経験を積むことで、人前にたつ自信も生まれた。
卒業課題では1時間、先生の前でヨガクラスの開催し、どのようなヨガクラスを開催したいかというテーマのプレゼンテーションを30分するお題があった。当時、妊娠していて悪阻、体調不良とも戦いながら、助けられて励まされながら、時に夫に孤独な戦いに我慢出来なくなり、涙したりもした。けれど、結果的に諦めたくなかったし、したい事なら無理と思える時でも、諦めさえしなければ、助けて力を貸してくれる人がいたり、道が見えてくれるものだと痛感した経験だった。卒業できたことは本当に心から嬉しかった。どんな緊張する状況であっても、能力不足であったとしても、まずは挑戦する、走りながら勉強する、すると切り抜けるマインドとスキル、対人力もあとからついてくると思った。大人になっても未知のことに挑戦するって不安と恐怖がつきもの。急遽、緊張で胸が張り裂けそうでも、孤独を感じて辛くても、死ぬことはない。そして、頑張り切った経験は、ずっとその人の自信になるものだな、と感じる。
[過去の自分に言いたいこと]
✔︎やりたい事ならまず走り出す。走りながら必要なものを学び埋めていけばいい。
✔︎自信はもっていて。でも要らないプライドなんて、捨ててしまおうね。ゼロから積み上げればいい。
✔︎自分の周りを見回して助けてくれる人に頼っていいよ。
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