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日めくり5分哲学『自由の哲学』を読む 第十五章9

人間がもっぱら自分の感覚的衝動や他人の命令に従うのではなく、さらに先へ進んでいくなら、自分以外の何ものかによって左右されたりはしない。自分以外の誰かではなく、自分自身が選んだ動機によって、行動する。勿論その動機は同一の理念界の中で理念的に決められている。しかし具体的に見れば、ただ人間だけがこの動機を理念界の中から取り出して、それを現実の中へ移すことができる。人間が自分から積極的に理念を現実の中へ移し換えるとき、一元論は人間の中にそのための動機の根拠を見つけ出すことができる。或る理念が行為となるためには、まずそれを人間の意志にしなければならない。そして意志は人間そのものの中にのみその根拠をもっている,だから人間は自分の行為の最終決定者なのであり、人間は自由なのである。

<命題15-9>

第十五章10へつづく

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Dr.「こころから研究所」Co-colo-color.Labo.
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