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『ねばならないに囚われない』

ねばならないに囚われ善意を振りかざしたとき、
直接的、間接的に親や当事者を傷つけることがあるということ知ってください。

「Nothing about us,without us!」
私たちのことを私たち抜きに考えないで!
のスローガンのもと世界中の障害当事者が参加し作成した、
「障害者の権利に関する条約」
2006年国連、日本では2014年条約を守ると約束してくれました。

支援の真ん中に当事者がいますか?
支援者(保護者)が古い価値観や凝り固まった概念を押しつけたりしていませんか?
当事者抜きに何かを決めたりしていませんか?

あるASDの女の子が、
「親や支援者は安全な道や妥当な道を進めてくる。だけどやってみないとわからない!
無謀な道かもしれないけれどやってみないとわからないんだ!」
と言っていました。

なんて頼もしく、なんて立派なのでしょう!
確かに『休養をとるスキル』は命を守ることに繋がります。
ですので、「休む」ということは大事です。
けれどしっかり休養がとれ回復したら、次は挑戦する時間帯です。
ここがすっかり抜け落ちている方が多いのです。

例えば、就労についても、3月卒業4月入社にこだわらず、
就労移行支援を経て、定着支援などしっかりサポートしてもらって就職しったっていい。
実際、現時点ではこの方法がより賢い方法だと私は考えています。

実は先日も、就労支援の方からうれしい報告を受けました。

私が関わっている高校は、定時制や通信制など不登校を経験した子や、
訳あって編入した子、病気やイジメなどでの編入や、自分のペースで学びたいと編入、入学した子、
働きながら通っている子…
理由や年齢、環境や特性は様々です。

まさに多様性です。

その高校からもたくさんの子が就労支援の方へお世話になっていて、
先日ご挨拶に来てくださった時に「どうですか?」と伺うと、

「みんな優秀ですよ!最初は大変かなと思っていたのですが、何ていうんですか…すごく成長してます!」と言われ、
「そうなんです!!伸びしろがある子達なんです!」と、
長い不登校の経験や辛い経験をしてきてやっと見つけた自分らしくいられる学校でしっかりと地に足をつけて自分のペースで過ごしてきたからこそ、そこをきちんと見てくださっていることにとても嬉しく思いました。

良く考えてみて下さい。
私たちは義務教育を9年で卒業したら高校を3年で卒業する…と思っていませんか?

実は特別支援をうたっているサポート校の先生から、「あと○ヶ月で卒業なので、それまでにこの子をどうにかしなくちゃ!」というご相談を受けたことがあります。
あと○ヶ月で卒業させなくちゃダメですか?(笑)
3月に卒業させなくちゃダメですか?(笑)

(学校によってはMaxの在籍年数が決まっていることがあります。それを踏まえて考えることも必要ですが)その子のペースで3年間と決めつけず、何年だって何月卒業だって良いはずです。

日本には残念ながら能力が高くとも飛び級するシステムはまだありません。
ですが、留年は出来るのです!

義務教育課程はこれも残念ながら9年で卒業です。
けれど高校からは、何歳から通っても良いし、もう一度学び直すという選択も、
通学する時間帯や通信などの学ぶ場所、学び方もたくさんの道があるのです。

私は大学も志がない状態でストレートで行くよりも、一度社会にでてからでも、結婚してからでも、子育てが終わってからでも学びたいものができた時、学べる環境ができた時、いつだってスタートを切って良いと思うのです。

ある長年臨床心理士として支援をしてこられた大先輩の先生が、
「私は還暦を過ぎて児童発達支援をやりたいと思って始めたのよ。
何歳になってから始めたっていいのよ。
この新しい令和の時代、新しいことを始めましょう!」と微笑んでいらっしゃいました。

義務教育にも段々と選択肢の幅が準備されつつありますが、高校からは大体整ってきました。

「高校は16歳で入学して3年間で卒業する」という概念はもう捨てて下さい。
今までの概念は捨てて、選択肢の幅を広げて下さい。

特性のある子は2〜3歳幼いと言われます。
最低でも2〜3年は余裕を持つことで、その先の長い人生においてとても重要な貴重な時間になると思います。

わが家でも高校からは「1年留年したら?」という選択肢も示しました。

特性のある子に関わっていて、想定内のことなんてありませんよね?
想定外のことしかおこりません!
『想定外が想定内』なのです。
私たちの概念にはまらない子たちです。

私は子供たちに「今ないものを新しく作り出すか、今あるものをより良くするか、あなたはどっち?」とよく問いかけます。

未来を生きる子供たちは私たちの見たことのない世界に生きる子です。
私たちの価値観とは違う時代に生きる子たちなのです。

「視点」の次は「思考」についてお伝えしていきます。
今回は『ねばならないに囚われない』でした。

私たちが『ねばならない』に囚われたとき、それは子どもたちの足枷にしかならないと思っていますし、

選択肢の幅を広げてあげることが『生きやすさ』にも繋がると思っています。

道はひとつではありません。
そして道は通過点でしかありません。

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