ロコモをチェックして今の状態を確認し、未来を元気に歩きましょう!
ご覧いただき、ありがとうございます。
前回は、足腰の衰えを表すロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)のお話をさせていただきました。
今回はロコモのチェックの仕方、判定方法についての紹介をさせていただきます。
ロコモのチェック方法はいくつかあります。
まずは、簡易的なスクリーニングとしてチェックする方法です。
ロコチェック
ロコチェックは、下記に示す7つの項目をもとに、ロコモの心配があることをチェックします。
1️⃣片脚立ちで靴下がはけない
2️⃣家の中でつまずいたりすべったりする
3️⃣階段を上がるのに手すりが必要である
4️⃣家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
5️⃣2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
(1リットルの牛乳パック2個程度)
6️⃣15分くらい続けて歩くことができない
7️⃣横断歩道を青信号で渡りきれない
チェック基準:1️⃣〜7️⃣のうち、1つでも当てはまるものがあればロコモが疑われます。
ロコモ度テスト
ロコモ度テストは、ロコモの判定ならびにロコモの段階を判定するテストバッテリーです。ロコモ度テストは、「立ち上がりテスト」、「2ステップテスト」、「ロコモ25(質問票)」の3つのテストから構成されます。
「立ち上がりテスト」
40cm、30cm、20cm、10cmの4種類の高さの台から両脚または片脚で起立できるかをチェックするテストです。
・両脚の場合
まず40cmの台に両腕を組んで腰かけます。このとき両脚は肩幅くらいに
広げ、床に対して脛(すね)がおよそ70度(40cmの台の場合)になる
ようにして、反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒間保持します。
・片脚の場合
40cmの台から両脚で立ち上がれたら、片脚でテストをします。基本姿
勢に戻り、左右どちらかの脚を上げます。このとき上げた方の脚の膝は
軽く曲げます。反動をつけずに立ち上がり、そのまま3秒間保持してくだ
さい。
【結果の判定】
ロコモ度1:移動機能の低下が始まっている状態
どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台
から立ち上がれる。
ロコモ度2:移動機能の低下が進行している状態
両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台から立ち上がれる。
ロコモ度3:移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態
両脚で30cmの台から立ち上がれない。
「2ステップテスト」
スタートラインに両足のつま先を合わせた状態で立ち、(飛び跳ねずに)できるだけ大股で2歩歩き、両足を揃え、2歩目のつま先までの進んだ距離を測定します(最大2歩幅)。その後、最大2歩幅(cm)を身長(cm)で割った値(2ステップ値)を求めます。
最大2歩幅(cm)÷身長(cm)=2ステップ値
【結果の判定】
ロコモ度1:移動機能の低下が始まっている状態
2ステップ値が1.1以上1.3未満
ロコモ度2:移動機能の低下が進行している状態
2ステップ値が0.9以上1.1未満
ロコモ度3:移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態
2ステップ値が0.9未満
「ロコモ25(質問票)」
からだの痛み(4問)や日常生活で困難なこと(21問)について、ここ最近1ヶ月の間の状況を0〜4点の5段階で問う質問票のテストです。
【結果の判定】
ロコモ度1:移動機能の低下が始まっている状態
7点以上16点未満
ロコモ度2:移動機能の低下が進行している状態
16点以上24点未満
ロコモ度3:移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態
24点以上
ロコモ度テスト総合判定
「立ち上がりテスト」、「2ステップテスト」、「ロコモ25」のいずれかのテストにおいて、ロコモ度の高いものに合わせた採用します。
例)立ち上がりテスト: ロコモ度2
2ステップテスト: ロコモ度1
ロコモ25 : ロコモ度3
⇒ 総合判定 : ロコモ度3
豆知識💡
立ち上がりテストを手軽に実施したい場合
40cm、30cm、20cm、10cmの4種類の高さの台は、なかなか身近にないかと思います。その場合の自宅での対応について紹介します。
日常によくあるオフィスチェアやダイニングチェアの座面の高さは42cm程度のものが多いです。そのためそちらの椅子から片脚で立てるかお試しください。20cmの高さは一般家庭の階段の1段の高さが概ね20cmであることが多いです。 ※いずれの実施の場合も転倒には十分にお気をつけください。
2ステップ値の簡単なチェック法
最大2歩幅を測る準備をするもの、割と大変かと思います。簡単に基準値を超えているかどうかをチェックする方法をお伝えします。
〈2ステップ値1.3、1.1-0.9のチェック〉
2ステップ値1.3は、身長の1.3倍にあたります。この長さは概ね立った状態で両手をまっすぐバンザイした時の指先の長さと同等といわれています。スタートラインに足を合わせ、寝転んでバンザイした指先までの長さを2歩で超すことができれば、基準値クリアです。
2ステップ値1.1-0.9は、ほぼ身長の長さです。身長分の長さが2歩で進めなかった場合、ロコモ度2or3が疑われます。
ロコモ25の質問は多いな…って人は。
25個の質問って多いなって思う人もいらっしゃるかと思います。正式な判定にはなりませんが、ロコモ25には簡易版のロコモ5というものがあります。「階段の昇り降りはどの程度困難ですか」、「急ぎ足で歩くのはどの程度困難ですか」、「休まずにどれくらい歩き続けることができますか」、「2kg程度の買い物をして持ち帰ることはどの程度困難ですか」、「家のやや重い仕事は、どの程度困難ですか」の5つの質問を0〜4点の5段階で回答してその合計点を求めます。ロコモ予備軍は3点以上、ロコモは6点以上、運動器不安定性(ロコモの進行した状態)は9点以上に判定できることが報告されています。
今回は、ロコモのチェックの仕方および判定方法についてお話させていただきました。衰えを早期に発見して、対策をとることで末永く元気な足腰を維持することができると考えます。
次回は、ロコモ予防・対策についてのお話をいたします。次回もお楽しみください。最後までお読みいただき、ありがとうございました。