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2031年大学共通テストに「保育」が追加!

現在、全国におよそ600の保育士養成校が存在します。その養成校は、4年制大学、短期大学、専門学校、そして全国に2校のみ存在する高校が保育士育成を担っています。しかし、コロナ以降、これらの養成校への学生の入学数は減少は顕著になっています。

キャリアフィールド調べ

給与問題と保育士不足

保育士のなり手不足の原因としてよく挙げられるのが「給与が低い」という点です。

この点については、私は全く違う見解を持っています。
初任給ベースで見ていくと、保育士の給与は悪くありません。

全業種平均給与と比較して、保育士の給与の低さを指摘する人もいますが、
そこに欠けている視点が2つあります。

1つは、平均勤続年数です。
簡単に説明すると、日本において年功序列型賃金がベースになっている企業がまだまだ多くあります。保育士の平均勤続年数は、全業種と比較して短いのです。平均勤続年数を短くしている理由の一つが出産です。

保育士が育児と仕事を両立させようとすると、自分の子どもを預けて、他人の子どもの世話をするという矛盾にぶつかってしまうのです。
自分の子どもを預けて、保育の仕事を続けている人を非難しているのではありません。これが理由で職を離れる人がいるという事実を知ってもらいたいのです。

2つ目、女性比率の高さです。
保育士の平均給与と女性の全業種平均給与と比較してみてください。
ほぼ変わらないのです。
男女の賃金格差問題が、保育士の給与低い問題に置き換えられているのです。

令和5年賃金構造基本統計調査より

必要なのは社会的な承認

これらの数字はあくまで平均です。保育施設の多くが民間に運営されていますので、法人間での給与格差はあります。地域間の格差もあります。

ですが、メディアで行われている「保育業界ブラック」という一部のでき事を全体のようにとらえる報道は、結果、保育士の仕事を蔑む行為だと考えています。不適切保育の問題、不正経理の問題など課題ありますが、それは、保育業界ブラックとはまた別の問題なのです。

専門家気取りの人たちに、保育士の社会的地位をこれ以上、下げないでもらいたいと切実に願っています。

そこで、大学共通テストに保育を追加してもらいたい

ここからは、私の妄想です。
この施策は、保育士不足少子化対策の両面で効果を発揮する可能性があります。

保育士不足の解消

大学共通テストに保育を追加することで、保育士への関心を高めることができます。保育士という職業に対する認知度が向上し、より多くの学生が保育士を志すようになるでしょう。
また、子どもが好きという嗜好だけでなく、学問から興味を持ち保育の道に進むことも考えられます。保育の重要性を理解した学生が増えることで、学生の質向上にも繋がります。

少子化対策の切り札

なぜ、大学受験に、英語や数学、社会や理科があるのでしょうか?
私は何も考えずに、1992年の団塊ジュニアど真ん中で受験を経験してきました。そこで何となく得意な科目で進学先を選択しました。

令和7年から「情報」の科目が加わります。これは、将来のIT人材育成のためです。

少子化の原因は、少母化であることは、完結出生児数を見れば明らかです。私たちは、子育てを正式に学ばずに、大人になってしまいました。
知らないから不安であり、不安だから避けているのかもしれません。

家庭での虐待問題も、子育てリテラシーを少しでも学んでおけば、もしかしたら、防ぐことのできる事件もあったかもしれません。

子育てや保育を嗜好だけでなく、学問としてとらえることで、

勉強ができる人でもなく、お金を稼ぐ人でもなく、子育てが得意な人がモテることによって、保育士不足と少子化対策を同時に解決できるのはないでしょうか?

偏った考えであることは重々に承知の上です。
保育士の社会的地位の向上に残りの人生をかけてみようと思っています。



園長通信で紹介した「産学官連携で保育士を増やす」新たな仕組みが、新潟市でいよいよスタートします。

採用戦略セミナーも残り1法人となっています。


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