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猛暑に備えて

気象庁の3カ月予報では、今夏6~8月の平均気温は
全国的に平年より高い予想となり
月ごとで見ても、
全国すべての月で平年より高くなる予報です。
35度以上の猛暑日も多くなるとの予想に、
熱中症が心配される。

どのように対策すればいいのか、
「熱中症からいのちを守る」「いのちを守る水分補給」(評言社)の著書を出版した谷口英喜医師の発言から
猛暑を乗り切る提案を書き出してみました。

暑熱環境を避ける・水分補給をしっかり

「熱中症対策の対策の柱は暑熱環境を避けることと
水分補給をしっかりすることです」
暑熱環境とは熱中症のリスクのある環境を指す
だけど、暑熱環境を完全に避けることができたり、
いつでも水分がとれるのなら、誰も熱中症にならない。

水分摂取は基本、水、お茶。
でも、弱点があります。
ある量を摂ると、血が薄まってくるので
飲水中枢という脳の部位が反応し、続けて飲めなくなる。

スポーツドリンクは、
塩分がそれなりに入っているので量が飲めます。
でも、スポーツドリンクは
塩水にたくさんの砂糖をいれて味をごまかしている飲み物

砂糖の大量摂取につながり、ペットボトル症候群という
糖尿病の発症
に繋がる可能性があります。
水でも、お茶でも
持ち歩く水筒に天然塩をひとつまみ入れるのが最適。

暑熱環境に耐えられ、
水分を蓄えられる体づくりが大事

「体のがっちりしたアスリートとか
スポーツ選手っていうのは、まず熱中症になりません
それをアマチュアが真似すると熱中症になる。
体作りが違うわけです」

何が違うのでしょうか?
谷口医師は自律神経と筋肉だと言っています。
「まず自律神経の切り替えが活発に行えるかどうか。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、
このバランスで体温調節がうまくいきます

気温が上がると、
自律神経の働きで血管が拡張する。
血流が増えて皮膚の表面から体内の熱が逃げ、
さらに汗をかいて蒸発する時の気化熱で体温が下がる

筋肉量を維持することが大切
自律神経がうまく働かないとこうした反応が鈍り、
体温があまり下がらず、熱中症になる。

「また体の中の水分は4割が筋肉に貯まっています。
体の水分を保つには、
筋肉量を維持することが大事になります」

それには運動と食事が重要。

タンパク質をとっても、それだけでは筋肉になりません。動かないとダメなわけですね。
人間の筋肉量は40歳をピークに落ちていきますから、
40代を過ぎたら自分の持っている筋肉を失わないようにしていくということが脱水症対策になるわけです」

運動といっても、ジムに通わなきゃいけない、
ジョギングしなきゃいけないというわけではない。
軽い散歩程度で大丈夫

「座っている時間を少なくすることによって筋肉は維持できるんですね。
筋肉は下半身に集中していて、
下半身から落ちます。足腰を使う生活をしていれば、
筋肉量はずっと維持
できます」

一番簡単な筋トレは、電車やバスで立つこと。
「立っていることが一番いい筋肉の保持なんです。
筋肉を保持できなくなったらもう立てないですから」

熱中症対策にはビタミンCとロイシン、タウリン
夏が始まった今、筋肉をつける上でまずは栄養。

「筋肉はタンパク質です。
食事ではタンパク質を積極的にとって欲しい。

タンパク質はアミノ酸からできていますが、
中でもロイシンというアミノ酸が重要です。
ロイシンは筋肉の合成を促す効果が高いので、
ロイシンを豊富に含む魚や肉をとってください。
牛乳や乳製品、豚肉、大豆製品にたくさん含まれています

アミノ酸が体内に入っても筋肉を合成する時には
ビタミンが必要です。
中でも重要な働きをするのがビタミンC

「自律神経の働きを調整する機能もあり、
血管を拡張させるためにはビタミンCが必要です」

肉だけ食べていればいいわけではない。
さらに夏は汗をかく。
汗をかいて失われた水・電解質・ビタミン類を
補うことも意識する。

パッと見が茶色い食事、唐揚げとか揚げ物中心の食事が
一番熱中症対策には良くありません。

料理はカラフルな方がいいですね。
緑が入っていたり、赤や白が入っていたり、
彩のある野菜が中心だと
必要なビタミンやミネラルをとることができます

特に何もしなくても、紫外線を浴びるだけで人は疲労する
紫外線から受けるストレスに対抗するため、
体内のビタミンB群が失われてしまいます

ビタミンBが含まれる豚肉は積極的に摂った方がいい

最近、注目されているのがタウリン。
「深部体温を下げる働きがあることがわかりました。
暑さでの寝苦しさはもちろん、
熱の調節能力を改善すると考えられます。
タウリンは魚介類に多く含まれます。
熱中症対策として、意識して食べるようにしましょう。
タウリンを含むドリンク剤も多いので、
食事でとれない時は利用してもいいと思います」

タウリンもビタミンCも水に溶けるので、
魚介類の冷たいスープやブイヤベース、
お味噌汁などの汁物で摂取するといいですね

一般的には、夏バテになって食欲が低下した時に
塩分はとればいい。
「普段の半分ぐらいしか食べられないなと思ったときは、
意識して塩分を取った方がいいです」

熱中症になったときに飲んではいけない飲み物

それでも熱中症になったらとにかく体を冷やすこと
一番いいのは水風呂、入れられない時は
わきの下や鼠径部など太い動脈の通る部分を冷やす
そして水分補給なのだが、気をつけることがある。

「熱中症になった時に飲んではダメな、飲み物」

1つ目は

「アルコール」

これは当たり前だ。

「水」

あくまで熱中症になった場合だが、
塩分が足りないために熱中症になる場合がある。
そこで大量の水だけを一気に飲むと、
さらに体内の塩分が薄くなり、
水中毒=体内の塩分量が下がって症状が悪化する
低ナトリウム血症になることも。
緊急事態とはいえ、
水だけを大量に飲ませることは避けよう。

「最後に牛乳です」

牛乳はタンパク質が多いため、体内で熱を作り出す。
牛乳を飲むと体を冷やすどころか、体温を上げてしまう。
熱中症予防にはぴったりだが、
熱中症になった時には牛乳を飲ませてはいけない。
「よくお風呂上がりに冷たい牛乳を飲みますよね?
体を冷やしそうですが、
あれは湯冷めしないためだと思います。
牛乳が熱を作るから、昔から風呂上りには冷たい牛乳を飲むんですよ」

自律神経は腹式呼吸で訓練する事で調整ができます

腹式呼吸法
私たちは緊張や不安に駆られると、呼吸が浅くなります。
ゆったりとした呼吸でリラックスした状態を取り戻そうとするのが「腹式呼吸法」です。
手順は次の通りです。

「腹式呼吸法」
1.みぞおちの辺りへ息を送り込むイメージを持ちながら、
4秒ほどかけて鼻から息を吸う
2.いったん息を止める
3.お腹をゆるめるイメージを持ちながら、口をすぼめて
8秒かけてゆっくりと息を吐く
5〜10分程度行うと、心身がリラックスすることがわかっています。

本格的な猛暑が来る前に
自律神経調整筋肉強化食生活を工夫して
元気に過ごせるように準備しましょう


最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
少しでもお役に立てれば嬉しいです。


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