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耳福に伊澤一葉氏あり
東京事変を初めて知ったのが、中学生のとき。「群青日和」が街に流れ始めた頃。豪雨の新宿に降り立つことはなかった。
東京事変が身近になったのは、それから10年の時を経て。大学で出会った友人の家に泊まりにいったとき、東京事変の解散ライブ「ボンボヤージュ」が流れていた。その時初めて聞いた「透明人間」が、ずっと頭から離れなかった。
彼女の影響を多分に受けて、それ以来、東京事変沼にこんにちはしたってわけ。今から10年も前のお話。
何が言いたいかというと、わたしは今日、東京事変のキーボーディスト伊澤一葉氏が好きな件、ここに書き記したいがため、コーヒーとワッフルを口に詰め込み、洗濯物畳むことを放棄して、日曜の朝っぱらから、パソコンの方のキーボードを叩いてるってわけ。
飼い主は、小学生のとき、ピアノを5年ほど習ったものの、全く上達せず、練習が嫌で嫌で仕方がなかったので、運動部への入部を口実に、ヤマハ音楽教室を去った。実家に鎮座する電子ピアノは、弾く任を解かれ、現在まで布団干しを全うしている。
ですので、「ここの旋律が良い」とか「ここにこの音入れるなんて天才」とか、そんな感想は言えない。ただ、耳が喜んでいるとき、気付くといつもそこに、一葉氏がいるみたいな感じ。恋とはそういうものである。
びしょ濡れで弾く一葉氏も、素敵に年を重ねた一葉氏も、素晴らしい曲をお作りになられる一葉氏も、お美しい。
作った曲が素晴らしいのは言うまでもなく、予期せぬところで、彼の鍵盤に出会うことがある。もれなく耳が喜ぶ、恋とはそういうものである。
米津玄師氏の「Bremen」というアルバムがある。かの有名なLemonが世に出る3年前にリリースされたアルバムで、フィーバー前夜感が心地よくて、さっくり出勤したいときと、しっとり退勤したいときによく聞いている。
その中でも、「ミラージュソング」と「雨の街路に夜光蟲」が特に特に特に好きで。「ミラージュソング」はベストオブさっくり、「雨の街路に夜光蟲」はベストオブしっとりとして、黄金比クッキーは、今日も飼い主の社畜ライフを支えている。
(両方、本家の映像が出回っていない◎)
なんと、この2曲、一葉氏がピアノを弾いている。今朝、ネットサーフィンでこの事実を知った途端、本稿を書かずにはいられなくなった。飼い主は、無自覚のうちに、一葉氏に支えられていた。
耳福に、一葉氏あり。恋とはそういうものである。