アメリカで出逢った、素敵な年の重ね方 エッセイ#75
私の住むマンションのジムで、新しいヨガのクラスが始まるらしい。
エレベーターの電子掲示板を注意深く見みると、インストラクターを担当するのは、リンダだと分かった。
リンダは、私と同じマンションに住む女性。
たしか、旦那さんは弁護士だ。
以前、「cocoちゃんの親ごさんより年上だよ〜」と言っていたから、60代だと思う。
(若々しいから、ビックリした。)
そんな彼女、約1年前、2023年のクリスマスパーティで会った時、
「ヨガのインストラクターの資格を取ろうと思って、頑張ってるんだー😊」
と話していた。
そして、ついに自分のヨガクラスを開講するに至ったんだ。
60代になってからも、目標を持って新しいことに挑戦し、学び、コツコツ積み重ねて、それを実現していく彼女の姿に、静かな感動が広がった。
私の周りにいるシニア世代は、素敵だ。
そんなことを考えていると、ふと、日本に帰国していた時、温泉で母とした会話を思い出した。
「もうすぐ還暦だからさー。」
と、寂しげなニュアンスで言う母に、私はキョトンとした。
そして、
「還暦なんて、これからでしょ!
こっからどう楽しもうかなって!
やっと人生始まるくらいのイメージだよ、私からしたら。
ついに、紀元後になったって感じじゃない?
私なんて、まだ紀元前だと思ってるもん!笑」
という言葉が、自然と口をついて出た。
そして、そんな自分の言葉が、自分でも少し意外だった。
昔は年齢を重ねることに、恐怖しか感じていなかった私。
それが、なぜ、今の私は、年齢を重ねることをこんなにも素敵に、ポジティブに捉えているのか?
記憶の糸を辿っていくと、そこには、
アメリカで出会った、素敵に年を重ねている人たちの笑顔がたくさんあった。
冒頭のリンダをはじめ、エネルギッシュに、エンジョイしながら年齢を重ねている人たちが、今、私の周りにはたくさんいる。
私の目には、彼らが輝いて映っていて、そんな彼らを見ていると、60歳なんてまだまだこれからじゃんって本気で思う。
別に若作りしているとかではなく、心がフレッシュなのだ。
経験豊富で、人としての深みがありながらも、若々しく楽しんでいる姿が、私の目にはとっても魅力的に映る。
めちゃくちゃ楽しそうに婚活しているドクターのおじ様(最近、いい出会いがあったらしい)
彼氏とあちこち旅行で飛び回っている、元経営者の女性
「新しく犬を飼ったら、言われてた2倍のサイズなっちゃったよー」と笑いながら、
そのデッカイ犬も連れて移動して、二拠点生活を楽しむ元CEOとその奥様
(空港のラウンジで、たまたまこのご夫婦に遭遇した。デッカイワンコも、ラウンジで優雅に休憩していた。笑)
彼らはみんなシニア世代。
でも、心が若々しい人たちが多い。
(そりゃ、人生いろいろあるとは思うけれど、)
明らかに楽しんでいる。
そして、大体みんなジムで、ハツラツと運動していて、
私の方が若いんだから負けてらんないな、とちょっと焦るくらい。笑
そんな彼らが、年を重ねていくことへのイメージを素敵なものに変えてくれた。
年齢を重ねた先の、素敵な未来を見せてくれる彼らの存在に感謝し、
私自身も、いつまでも若々しく、みずみずしい心の持ち主でいたいと思う。
心の持ちようは、自分次第だから。
そして、私がシニア世代になった時、
彼らが私に見せてくれたみたいな、素敵な年の重ね方を、後に続く人たちに見せられる存在でありたい。