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24.11.22『邪惡な虫』

人間の健康や生活に害を与える虫について面白く紹介した本だった。

虫というのは小さくてありふれた生き物だ。
だが、蚊は人間を最も多く殺している生き物である。
(悲しいことに2番は人間である…)
病を運び、毒を注入し、住居環境や自然環境を破壊する虫は、案外身近な場所にもいる。
本書で紹介されている自然環境が破壊された原因は、新たな虫や植物の輸入、温暖化の影響が大きく、巡り巡って人間が引き起こしているような印象を受けた。

虫たちの生存や増殖のためのユニークな戦略 vs 人間 の戦いを面白く書いてあり、読みやすくて大変面白かった。
ちなみに、私のお気に入りはオオスズメバチだ。
身近な虫であるが、ミツバチの反撃の話や幼虫の作り出す液体の話は初見であり、新たな学びであった。かわいいミツバチたちの必死の反撃は、生存のための驚くべき方法であり、ぜひ読んでほしい。

この本のもう一つの特徴は、挿絵である。
銅版画で描かれた挿絵は、虫を仔細に描いており、美しさとおぞましさを感じさせる。

美術的な価値も感じさせる本書は、虫好きにも虫嫌いにもお勧めしたい。

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