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シングルマザーエッセイ #3引きこもりの息子が外に出た時、気絶したと思う
横になって3分で眠りにつける時。
それは眠りではなく気絶です。
…と何かの記事で読んだことがあります。
わたしは少し前まで睡眠障害のような感じで、
なかなか眠りにつけないし、
眠ってもすぐに目覚めて朝まで眠れない、
ということが頻繁でした。
先日、私の住んでいるところに大雪が降りました。
小さい頃から雪が大好きな息子。
息子は自室ではなくリビングで安定した引きこもり生活を送っています。
外には年に数回しか出ません。
人が怖い…
車酔いが激しい…
暗闇が怖い…
一人で居るのが怖い…
と言って年中リビングで過ごしています。
その息子が、唯一家族以外で心を許せる親友くんのお宅まで一人で出かけて行ったんです。
パソコンに入れているアプリで連絡を取り合っている親友くんと息子。
雪が積もってるから、あいつ雪掻きしてるみたい!行ってくる!
って言って、飛び出していきました。
えーーー!すごーーーーい!
ひとりで出かけていったーーー!
と、娘と一緒にびっくりしていた私。
念の為、親友くんのお母さんに連絡しておきました。
すると「妹ちゃんも遊びに来ませんか?」とのお誘いが。
娘も喜んで出かけていきました。
家にはわたし、ひとりだけ!
年中そこにいる息子がいません。
いつも私を遊び相手にしている娘もいません。
こんなの何年ぶりだろう。
それも、ふたりともウキウキワクワクして出かけていったんです。
こんなに嬉しいことはありません。
帰ってくるまでにご飯作っておこう!!
きっと雪ではしゃいでお腹減らして帰ってくるだろうし、
体が温まるような食事がいいかな!
と、キッチンに立ったのですが、なぜか力が抜けてしまい、
ついついストーブの前で座り込んでしまいました。
あぁー、なんて穏やかな気持ちなんだろう…
と横になってしまい、
そのまま眠りについてしまったようでした。
気づいた時、目の前がキラキラとして、
ぽかぽかと暖かく、
窓から差す光が、空からまっすぐに降りてきているような。
あれ?今何時だっけ。
私どこで寝てるんだっけ。
さっきまで何してたっけ。
仕事にいくんだっけ?寝坊してない?
もうすべてがわからなくなったような眠りでした。
体を起こしてみたら誰もいない。
あ!そうだ2人とも親友くんちに行ったんだった!
休日だった!お昼だった!
15分しか経ってないじゃん!
すごいたくさん眠った気分。
…とフラフラと目覚めました。
当たり前になっているけど、
家では明るく楽しく暮らせているけど、
やっぱり引きこもりの息子が心配で心配でどうしようもない自分がいるんだよね…
気絶するように眠れたのは安心感からかもしれない…
そう思った出来事でした。
翌日から、絶賛引きこもり中!の息子。
また自分から満面の笑顔で飛び出して行ける日が来るといい。
不安を感じながらとか、本当は嫌だけど少しがんばってとか…
そうではなくて自分から喜んで外に出ていける、
そういう時があるといい。
いつか晴れるその日まで、笑って過ごそう!
と再び思いました。
明日も不登校に悩む子どもたちや、保護者のみなさんが、楽しく過ごせる1日になりますように。