「ミンゲイ 民衆的工藝 民衆的文藝 民衆的演藝」そして新たなシェア型書店の形
美は生活の中にある。名もなき職人の手によってつくられ、日常とともにある様々な工芸品に美を見出した民藝運動。その考えを一歩進め、日常の中にある言葉と、庶民が楽しんでいた演芸とに光を当て「民藝=民衆的工藝」という言葉を広げて「民衆的文藝」と「民衆的演藝」を加えたいと思っています。
今年の末に開店を目指している「ミンゲイ 民衆的工藝 民衆的文藝 民衆的演藝」は、様々な地方にある民藝品、民衆が楽しんできたさまざまな演藝に関する書籍、そして私たちが日常使っている言葉を切り取って商品として販売する店です。日記、手紙、メモ、ビデオテープ、カセットテープ、8ミリフィルム、ネットにある文章など、掘っておけば、そのまま消えてしまう言葉の数々。それを掘り起こしていきます。
それと同時に、当面は高円寺を中心とした、様々な方々に聞き書きをし、それを印刷し、綴じて冊子にしていきます。やがては消えて行ってしまう、大勢の方の思い出が形になり、この店でアーカイブされていきます。過去と現在を未来へとつなぐ店です。
書棚の一角を借り受け、書店として営業するシェア型書店が話題になっています。この店は、書棚の一角で書店として営業する形態はそのままで、そこを借りている方々が、それぞれの持ち分の書籍や、民芸品、アート作品、などを販売する、専門店が集まったセレクトショップです。才能をシェアしあい、ひとつの書店をつくっていく、新たな試みでもあります。