インコとリンゴ

スーパーで真っ赤なリンゴを買う。

全体的に赤くて傷が無くて、少し大きめだったらいい。

みんなが大好きなリンゴをお土産に買って家に帰る。

「ただいマコちゃん!」。

一番年長のオカメインコのマコちゃんが「ピー」と言う。きっと「お帰りなさい」と言ってると思う。

「チッ!」とマメルリハのルリちゃんが言う。たぶん「遅かったわね」と文句だと思う。

「お土産にリンゴを買って来たよ」と言うとウロコインコのロコちゃんが「ギー」と言う。何となく「早くちょうだい」と言ってると推測。

ひと休みする間もなく、キッチンでリンゴをむく私。後ろではピー、ギー、チッと催促の嵐。

真っ赤なリンゴの皮をむいて小さくカットして、脚で持てる子には手渡して、できない子には口許に持って行ったり、お皿に置いたりする。

種類も個性も好き嫌いもそれぞれの5羽のインコ。共通なのは、みんなリンゴが大好き。

シャリシャリと喉鼓みを鳴らして美味しそうに食べる。

食べる姿を見ながらやっとソファーに座る。

三男二女の5羽の母の至福の時。


#旅する日本語

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