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不美人を背負って生きている。


『お母さん美人だね。』『似てないね』
これは小さな頃からのセットで私についてきた言葉。

そう。母は美人。私が客観的に見ても美人。

見た目は健康的な中森明菜で、中身は八方美人とくれば無敵だ。歌だってうまい。
おまけにお嬢様で末っ子。筋金入りの無敵だ。
お勉強なんてできない。でも必要なかったんだもん。彼女の人生には。愛されて、自分の思うように生きて、愛情が深くて自己肯定力だって高い。

そして私は父にすら似ていない。
『お父さんにも似てないね』なんだこれ。

私は父方の祖母に似ている。
もっと言えば父の姉に似ている。
親戚だって叔母さんの娘と間違う程に。

父方の祖母も叔母さんも母は大嫌いだった。
生まれも育ちも違うんだから価値観も違うし、生活だって違うよね。
配慮のない祖母達を心から嫌っていた。

そんな美しい母が嫌いな人たちに似ている私。
祖母達への文句が遠まわしに私の悪口にも聞こえてくる。
もちろん、母にそんなつもりはない。

『お母さんは美人、似てない私は不美人。』

大人になるにつれ思ってもみない程この言葉に呪われていく。

小さな私が自分にかけた不美人の呪い。
40代になった今も私は不美人の呪いが解けていない。

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