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変わる性質と、変わらない根幹

大人になると、自分のことを見失ってしまう人が多い。

就活をしながら「自分の軸」を探す。好きなことを仕事にしなさい、と言われる。でも、その好きなことが、わからない。

みんな、自分がどんな人間なのか、あんまり分かっていない。

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それもそのはずで、人は変わる生き物なのだ。

性格は、周りの人間に合わせて変わっていく。やりたいことも、流行に合わせて変わっていく。

軸なんてものは存在しない。いや、あるのだけれど、その自分の軸は、コロコロとズレていく。

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それでも、人間には誰しも「根幹」がある。それは子供の頃に熱中した、おぼろげな記憶の中に、確実に存在している。

小さい子を見ていると、こんな幼い時期から性格が決まっているんだなぁ、と思うのだ。

言葉は拙くても、しゃべるのが大好きな子。運動には興味がなくて、とにかくインドアで映像を見ている子。ずっと絵を描いている子。

人生のことも社会のことも、全く知らない子供たちは、みんな、自分の好きなことをやっている。

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子供の頃に熱中したものを、悲しいかな、人は忘れていく。

きっと、周りの人や、社会や、その他のいろいろな雑音が体に入ってきて、それに染まっていってしまうのだろう。

でも、子供の頃に熱中したものは、あなたの根幹にある。それは、嘘をつかない。

なぜなら、世界を何も知らない人間が、自分のシンプルな欲求でやっていたことだからだ。

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自分の原型は、物心がつくずっと前から、決まっている。

好きなことが分からなかったり、やりたいことが分からない人間は、物心もない子供の頃に熱中したものを思い出してみるのがいいだろう。

とは書いてみたものの、物心がない頃なので、記憶もきっと薄いのかもしれない。

だから、恥ずかしさを捨てて親に聞いてみよう。怪訝な顔を浮かべながらも、喜んで答えてくれるはずだ。

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