コボ・コボボ

作家のコボです。noteにエッセイや詩を書いています。新作小説「カサブランカ」発売中!⇒ https://amzn.to/2VkNiAQ インスタ⇒ https://www.instagram.com/cobo_cobobo

コボ・コボボ

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マガジン

  • 読み返したいステキなnote

    読み返したいなと思ったnoteをまとめています。

  • コボの短編小説

    コボの書く短編小説です。

  • コボれ落ちる言葉たち

    コボのエッセイです。

  • コボの旅行記

    コボの旅行記です。旅のエッセイを載せます。

  • コボの小説セレクション

    コボが書く、短編〜中編の小説をまとめたマガジンです。長さはマチマチですが、一冊ずつ、魂をこめて真剣に書いています。読者それぞれの感想を大事にしたいので、コメントはぜひTwitterなどで送ってくださると嬉しいです。自由で、モダンで、クラシカル。そんなコボ流の新しいアートです。

最近の記事

  • 固定された記事

すべての人生は10代で終わってしまう

大人になるのがとても怖かった。 それは、僕が高校生の時、こんな言葉に出会ったからだ。 箭内道彦という、クリエイティブディレクターの言葉だった。 「すべての人生は10代で終わってしまう」 それは僕にとって、やけに悲しい響きを伴った。 *** 10代は、みな多感だ。 優れたアーティストに感化され、音楽を始める。ワールドカップのゴールシーンを見て、自分の輝かしい将来を夢見る。 自分はスーパースターになれるかもしれない、と根拠のない自信を持つ。もう一方

    • 青い風を探して

      1  その年の夏、僕はほとんどの時間をリリーと過ごした。もはや家族と言ってもいいくらいに。  リリーはいつも前向きで、お洒落で、そして時々おかしかった。 「風って何色に見える?」  リリーがそう言った時、僕には何の答えも存在しなかった。 「風には色なんてないよ」  と僕が言うと、 「そんなつまらない回答しないでよ」  とリリーは言った。 「じゃあリリーにとっては何色なの?」 「わからない」 「なんだよそれ」 「突然だけどさ、青い風を探しにいこうよ」 「青い風?」 「そう。こ

      • 文章を書くことで自分自身が規定される

        長らく休止してしまっていたnoteですが、ぼちぼち再開させようと思います。 以前は毎日書いている時もあったけれど、今の僕には多分それをできるような体力がないので、週に一回とか、そんなペースで再開できればと思っています。 ・・・ 近況報告をすると、最近はちょっと前までは大変な時期が続いていました。どう大変だったかまで書くとややこしくなるのでそれは割愛しますが、具体的には、一切文章を書けない日々が続いておりました。 それはとてもストレスフルで、最悪と言っても差し支えないよ

        • 長編小説を書くことと、noteを書き続けること

          SNSを開けば、最近はいろいろな出来事が起きている。京都での放火もそうだし、吉本興業の件もそうだ。いろいろな事件や出来事があって、時々目眩がして、そっとスマートフォンを閉じる。 生きていれば、いろいろな出来事が否応なしに訪れる。自分がどれだけ平穏にいたいと願っても、そんなのは難しい。そして、心の奥底では、自分は平穏な人生なんて望んでいないのかもしれない。 今日は、参議院選挙があった。先ほど、投票を済ませてきた。 そしてその足でカフェへと向かい、今、この文章を書いている。

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        記事

          マグマと手をつないで

          マグマは、いつだって僕らの真下にある。 普段、僕たちは、生活においてそれを意識することはない。空を見上げることはあるけれど、地面を掘り始める人なんていないし、ましてやマグマを目にする人なんていないだろう。 それでもマグマは、そこにあり続ける。知らず知らずのうちに、僕らにパワーを与えている。 ・・・ どんよりとした雲が、空一面を覆っている。 「ねぇ、この道で本当にあってる?」 僕は運転をしながら、隣に座る妻に尋ねる。 「あってるはず」 「ほんとかよ」 さっきか

          マグマと手をつないで

          社会人一年目、配属に絶望した自分がいた

          社会人一年目。 私は、人生に絶望した。今まで頑張ってきた意味がまるでない、と思った。 だって……「営業に配属される」なんて! コピーライターに憧れて、広告会社に入った。学生時代からコピーライター養成学校に通い、同期とも差をつけてきたはずだ。 それなのに、営業。しかも、営業志望だった同期の子は、逆にクリエイティブに配属されたらしい。信じられない。 会社は一体、何を考えているんだろうか。きっと、何もわかってない。 私は悔しくて、一人、涙を流した。 ・・・ これまで

          社会人一年目、配属に絶望した自分がいた

          夢日記をつけましょう

          空を飛ぶ夢を、たまに見ます。 自分の身体は、人間のまま。だけど、パタパタ、パタパタ、と頑張って手を羽ばたかせると、身体がちょっとずつ浮いていく。 そのまま、フワーッと空を飛べちゃうんです。そして、どんどん高くなっていきます。街は小さく見える。まさに快感です。 でもこの夢を見る時は、実は「何か」から逃げていることも多い。落ちたら捕まっちゃうから、頑張って空を飛ぶのです。そして、遠くまで飛んでいく。 こういう夢を見ていて目を覚ますと、空を飛べないことが、逆に不思議に思えて

          夢日記をつけましょう

          美容師って素敵な職業だと思う

          美容師さんと、他愛もない話をするのが好きです。 「話さないでそっとしておいてほしい」という人も多いと思うのですが、僕はまったく逆。 普通の友人とは話さないような世間話をするのが、とても楽しい。 ・・・ 僕は昔、「宅浪」というのをしていた時期がありました。大学受験の浪人ですが、予備校には通わずに、自宅で勉強するというやつです。 一人で机に向かうのは、本当に孤独でした。 もちろん家族はいるのですが、高校生の年齢だと、母親と話すことなんてほとんどありません。 ・・・

          美容師って素敵な職業だと思う

          平日の早朝にデートをしよう

          僕と妻は、とても仲がいいのですが、結婚する前に二人でやっていたことがあります。 それは、「平日の朝にデートをする」こと。 平日の夜は忙しいし、休日はどこも混んでいる。 なので、「平日の朝にやっちゃうのがいいんじゃない?」という感じで、始めてみました。 ・・・ 出勤する前に待ち合わせして、デートをして、出社時間までに出社する。 これが意外と、うまくいきました。 デート場所は、いってみたいカフェにいくことが多かった。朝にしかやってないカフェとかもあったりします。ある

          平日の早朝にデートをしよう

          創造のススメ

          妻が、絵を書き始めたという。 僕は毎日、小説を書く時間を取っているのだが、僕が小説を楽しそうに書いていることに影響を受け、自分も何かを表現したくなったらしい。 とてもいいな、と感じた。 ・・・ 小説を書いたり、絵を描いたり、音楽を作ったり、なんでもいい。 何かをクリエイトしようとしてみると、まず自分の「引き出しのなさ」に驚く。 「お前は、そんなものか」という、諦めにも絶望にも近い感情である。 ・・・ 最初は、何時間もかかってしまうかもしれない。最初の作品を生み

          創造のススメ

          村上春樹は永遠のインディーズバンドだ

          村上春樹の発明は「村上春樹いいよね」っていうと、なんとなくその発言者が格好良く見えるところにある。 数多くの作家がいる中で、なんで彼だけこういうポジショニングを取れるのかを考えていた。 ようやく思い立ったのは、「村上春樹は未だにインディーズバンドなのかもしれない」ということだった。 *** とあるバンドが、メジャーデビューした。 インディーズ時代からのファンはいう。「なんか、変わっちゃったね」。 その感想は、しかしながら、本質を捉えている。 ミュージシャンがメジ

          村上春樹は永遠のインディーズバンドだ

          自転車がなくなった

          マンションの駐輪場に、自分の自転車がなかった。 「あれ?」と、瞬間的に思う。「盗まれたか?」と。 僕の自転車はクロスバイクで、数万円くらいする。盗む人がいてもおかしくない代物だった。 *** 僕は、頭を働かせる。おぼろげな記憶をたどってみた。 そうだ。昨日も、乗ったのだ。その時はちゃんと、あった。 だから、昨日家に帰ってから、今日乗るにかけての間。24時間も経たないこの間に、誰かに盗まれてしまったのかもしれない。 *** 対応は後にしよう、と思った。用事を済ま

          自転車がなくなった

          とりあえず「Official髭男dism」を聴いてほしい

          最近、ハマっちゃってるバンドがあります。 その名も「Official髭男dism」。 オフィシャルヒゲダンディズム。通称・ヒゲダン。Mステにも出演したので、知っている人も増えてきたのでしょうか。 個人的には、「ポストMr.Children」だと思っております。 ふざけた名前ですが、めちゃめちゃ格好いいです。 *** 彼らとの出会いは、まさに偶然でした。 音楽アプリとしてSpotifyを愛用しているのですが、アイツは、色々と僕が好きそうな曲を勝手に流してくるやつな

          とりあえず「Official髭男dism」を聴いてほしい

          三流が二流になることも、一流が超一流になることもない

          今回もまた、こちらのnoteでも触れた、スティーブン・キングの「書くことについて」から。 彼は、こんな面白い文章を書いていた。 三流が二流になることはできないし、一流が超一流になることもできないが、懸命に努力し、研鑽を積み、しかるべきときにしかるべき助力を得られたら、二流が一流になることは可能だ *** 僕はこの文章を読んで「なるほど」と思った。 ちなみにこの本では、「三流・二流・一流・超一流」が、それぞれどんな人間であるのか、全く定義されていない。 しかし、定義

          三流が二流になることも、一流が超一流になることもない

          いつだって箱の中にいる

          「無理」という言葉は、本来、存在し得ない言葉だ。 限界を作ってしまう人間が、都合よく作り出した言葉である。 どんな状況にも「無理」は存在しない。 *** 有名な実験なのだが、ノミのジャンプに関する実験がある。 30センチ飛ぶ蚤(ノミ)をガラスのコップに入れてガラスの蓋をする実験です。蚤は最初はコップから出ようとジャンプするのですが、その度にガラスの蓋にぶつかります。しばらくしてガラスの蓋をとるとどうなるでしょうか? 蚤はコップの高さよりも高くジャンプすることが出来

          いつだって箱の中にいる

          「例えば」という往復切符

          すごく細かい話をするのだけれど、「例えば」という接続詞が好きだ。 それは僕らを、旅へ連れて行く。 *** まずは、こちらのCMを見てほしい。 TAKA(ONE OK ROCKのボーカル)はこんな風に言っている。 そのマシンは、人間について考えていた。 人間の知性も野生も感性も、開発し尽くされてはいない。 五感は、もっと研ぎ澄ますことができるだろう。 たとえば、身体を大気に晒すことで初めて目覚める才能だってあるはずだ。 人間をもっと知りたい。そう思った。 こ

          「例えば」という往復切符