鉛筆の芯のような心
君の心は、鉛筆の芯のようだ。
そう言われてから、僕の心は鉛筆の芯になってしまったのだ。
芯を念入りに細く削った場合は、心も尖って、ずっと苛つくし、
芯をずっと削らずに先端が丸くなってくると心もどこか穏やかになる。
そしてたまに、細く削った先端がぽきりと折れてしまうと、自分の心もぽきりと折れてしまう。
そうなると、なかなか立ち直るのが難しい。
すると大抵、それを察したおかんがやってきて
机の上に投げ出された、鉛筆と僕の手を見てため息をつき、自前のナイフでシャッシャッと削ってくれる。尖りすぎない程度に。
忙しいおかんが帰る前にちゃちゃっと作ってくれる
なんだかよくわからないおやきをもそもそと食むと、不思議とすっかり元気になるのだ。