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五百円玉のしっぺ返し

歩いていると、足元にきらりと光るものがあった。
拾い上げると、それは真新しい五百円玉だった。

今日はついているかもしれないと、その硬貨をポケットにしまおうとした時、
手の中の五百円玉が、百円玉になり、五十円玉になり、十円玉になり、最終的には一円玉に変化してしまった。

なんてことだ、と頭を抱える。

499円の損だ。

すっかり薄っぺらく小さくなってしまった硬貨を投げ捨て、また道を歩き出した。

その地面に落ちた硬貨が、またむくむくと大きく分厚くなり、輝き出して、五百円玉に戻ったのには一切気づかずに。




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