HC代行として戦った1ヶ月③〜Practice〜
*いつも素敵なお写真ありがとうございます!今回も大事に使わさせていただきました。
こんにちは!吉永です。
今回は練習初日を振り返りながら、良いチームへ変化するためにどのような試みをやってきたのかについて書いていきます。
ハドル!
ついに初練習を迎えた。
僕がフロアに到着したときの雰囲気はいつもとは全く別物だった。
緊張感すら溢れていた。
それは
これからどのような練習が始まるのか?
吉永ってどんなHCなのか?
きっとそれらの不安から来る緊張感だった。
最初のハドルで僕たちが目指す良いチーム、バスケットを再度説明し、最後に。。。
「たった今から全員のスイッチを変えろ!今から俺たちは別チームに変わる!」
この言葉でしめて全員でハドルを組んだ。
そのときのハドルは。。。
とても大きかった。センターサークルよりも大きなハドルだった。
「良いチームのハドルは小さい!もっと小さくなって必ずお互いが触れ合う!それが俺たちのハドルだ!」
そう言って再度ハドルを組み直した。
とても小さく、それぞれが触れ合ったハドルだ。
僕らはこの瞬間から良いチームになるためのスタートを切った。
しかし。。。このハドルを茶化す選手もいた。
練習開始!!
最初はいつも通りストレングスコーチによって行われるアップ。
ここはリラックスした状態で行って欲しいが、緊張感の漂うアップとなった。
そしてアップが終わり、ウォーターブレイクも終わりバスケットが始まる。
「アップはこれで終わり!この瞬間から全てに対して全力でプレーするように!」
そう言ってレイアップドリルが始まった。
ただのレイアップドリルだ。
しかし今までとは全く違う。
今までは5on5までは全てアップかのように流しながらやっていた彼らが、ハードにゲームのスピードでプレーしてくれた。
僕はこの瞬間がとても好きだ。
変わる!変わりたい!!変わらなくてはいけない!!
その想いがプレーに溢れ出すこの瞬間がとても好きだ。
しかし、変わらない選手ももちろんいた。
システムブレイク
このシステムブレイクは、僕のバスケットをやる上で最も大事なファストブレイクのシステムだ。
だから必ず1番最初に落とし込む。
(システムブレイクについては以前noteに書いたのでリンクを貼っておきます。興味がある人は是非!↓↓↓)
各ポジションの動きを僕がデモで動きながら説明する。
この説明だけは他の人にはやらせない。
必ず僕がやる。
説明が終わり、このシステムを落とし込む"two&half"という練習が始まる。
(5メン(5人で走る練習)を2往復半やるイメージです。)
最初の1回目だけは動きを覚えるためにハーフスピードで行うが、その後は1番速いスピードで行う。
コートサイドから
Good!! Nice!!
彼らを鼓舞する言葉を叫びながら、彼らにエナジーを出させる。
この練習が終わりウォーターブレイクになる。
G(ビバリー選手)が近づいてきて。。。
Coach!!Good!Good practice!!
僕でもわかるような英語で、すごく楽しそうな笑顔で僕に言ってくれた。
モーション
次に僕にとって大事なモーションオフェンスを落とし込む。
モーションオフェンスというのは、幾つかのルールの元に行われるオフェンスのことだ。
(モーションについては以前noteに書いたのでリンクを貼っておきます。興味がある人は是非!↓↓↓)
僕の場合はとてもシンプルだが、必ず遂行してもらわなければならないことがある。
その動きを初日に落とし込む。
それは僕のバスケットをやる上でとても重要な動きだからだ。
動きを説明したら、チームシューティングの中でこの動きを落とし込む。
黙々とシューティングを行う選手たち。
これを見て僕は少し不安だった。
このまま喋らないチームになるのではないのか?と。。。
「練習の雰囲気は誰が作るの?俺か?ACか?ちゃうやろ!自分たちで作るんやろ!」
「俺たちはコミュニケーションを取れる良いチームになるんやろ?だったら今も喋ろうよ!」
練習の節々で僕たちの目指す良いチームに導くようにコメントを添えた。
last leg(ラストレグ)
僕のプレーは
・last leg(ラストレグ)
・Thru(スルー)
・Weak(ウィーク)
この3つがベースとなっている。
この中でも最も多く使うのが”last leg”
オプションが多いのもこのプレーだ。
だから初日に落とし込む。
ハーフコートで説明し、ハーフコートの5on0で何度か動きを確認し、フルコートの5on0で走りながら落とし込んでいく。
僕はコートサイドから動き出すタイミングや、動く場所など細かいポイントを指示する。
覚えることも多いし、練習も中盤になり疲れもある。
少しずつハードワークできなくなってくる。
「なにしてんねん!俺らはB2で一番速くて整理されたファストブレイクチームになるんちゃうの?こんなスピードじゃダメだよ!」
「俺らはどんなチームになりたいの?常にハードワークするチームでしょ?今それができてんの?ちゃんとやらなあかん!」
こうやって僕らにとって正しい道を進めるように誘導していった。
そしてほぼ全員が正しい道を歩み出した。
5on5
ラストレグだけを使った5on5を行う。
5on0で何度も繰り返したラストレグを実戦に使えるようにするためだ。
5on5で面白いのは、その直前(5on0)までできていたことができなくなること。
できなくなるというのは、プレーを忘れてしまうとか、ディフェンスに守られたとかではなく、正しく動かないということだ。
例えば、ラストレグにはスタッガースクリーンがある。そのスクリーンを使うユーザーはスクリーンを使う前に必ずリングに向かって2歩押し込まなくてはいけない。
しかし5on5になるとこの2歩を押し込まなくなる。
ボールをもらう正しい位置はツーガードポジション。
しかし5on5になるとトップでもらっている。
細かい!
こっちの方が上手くいく!
こっちの方がやり慣れている!
いろんなことを言う選手が出てくる。
けど2歩押し込むからスクリーンが有効的に使えるし、ツーガードポジションでもらうから、その次の動きにつながる。
これを理解して(理解できなくてもとりあえず)遂行するのか、それとも自分の考えを優先して動いてしまうのか、ここで大きく選手が分かれる。
とは言え、5on5はとてもハードだった。
今までとは比べ物にならないぐらいハードだった。
自分の目の前の選手には負けない!
絶対プレータイムを獲得する!
その想いが伝わってきた。
何度もいうが僕はこの瞬間が好きだ。
新たなチャンスを全力で掴みにいく!自分のために、チームのために。
その想いがプレーに溢れ出す、チーム内で戦うこの瞬間がたまらなく好きだ。
話を聞く環境!
練習中に選手同士で話すことが多い。
それはとても良いことだ。
しかし選手同士の会話が、他の人が話しているときに起こるのは問題である。
例えば、コーチが説明しているときに選手同士で話したり、1人の選手が全体に向けて話しているときに違う選手同士で話をしてしまうなどだ。
初日の練習でもそれは起こった。
そんなときに必ず僕は使う言葉がある。
「今は俺が話す番だ。俺が話すときは各々で話すのはやめてちゃんと聞くように!みんなが話をしているときは俺も邪魔せずみんなの話が終わるまで待つ。お互い協力し合おう。」
こうやって少しずつ少しずつチームが1つの方向に向けるようにしていった。
選手の変化
僕がHC代行になったのは3月末。シーズン終盤だ。
シーズンを通して選手のタイプを見極めてきていた。
正直に言えば、練習をやる前から僕のプレーを遂行する選手としない選手の予想をある程度立てていた。
だが。。。
蓋を開けてみると予想とは違った。
遂行しないであろうと予測していた選手が、別人かのようにチームのプレーを遂行していたのである。
これには正直驚いた。
そしてその光景に僕はすごく興奮した。
先ほども書いたが
僕はこの瞬間がとても好きだ。
彼らにとっては自分のプレータイムを勝ち取るために遂行しているのだと思う。
しかし、それは同時にチームのために遂行してくれていることにもなる。
今まではこのようなプレーを好まずに自分のプレーを優先していた選手が、チームのために変化する。
この瞬間がたまらなく好きだ。
もちろんだが予想通り遂行しない選手もいた。
変化
この日だけでも多くの変化を選手たちは僕に見せてくれた。
そしてこれはシーズン終わるまで続いた。
この変化は僕が起こしたことなのだろうか?
それは違う!
彼らが彼らの意思で変化したのだ。
コーチ(僕)にできることなんてたかがしれている。
他人をコントロールなんてできないし、他人を変えることなんてできない。
だからこそ、変化していく選手たちを見るのが僕は大好きなのだ。
あとがき
このような感じで日々の練習が進められていき、様々なことが起きました😅
どれもこれも僕にとってはすごく良い経験だし、楽しい思い出です!
コーチングの中で僕が大事にしていることの1つに
コメント!
があります。
練習中にチームへかけるコメントはとても重要だと考えています。
なぜなら、そのコメントが良いチームへの道標になるからです。
そして相手に伝わるコメントをしなければならないと考えています。
言い方はその人それぞれでいい。
だけど、伝えるスキルは必要だと思います。
偉そうに言ってる僕もめちゃくちゃ気を付けなくっちゃ😅
僕はコーチングしているとき関西弁と標準語?みたいなのが混ざってしまうんです。
標準語なんて普段の生活で全く喋ったことないのに。。。😵
自分でも不思議です。
逆に博多弁は一切!たったの1言も出ない😁
言葉って難しい。。。
そしてそれをいつも馬鹿にしてくるユウト(大塚選手)が腹立たしい😤
今回も長ーい文章に最後までお付き合いしてくださりありがとうございました!
それではまた次回!!
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