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照れ屋の息子の誕生日に、コーチングしてみた話

コーチングゆるっと情報共有会のIKです。家族とのコミュニケーションにもコーチングは有用だという話を書いてみました。


「どんな12歳になりたい?抱負をきかせて」。

普段は、自分の感情を表現するのが苦手な息子。人前でなにかの感想や意見を求められるとにやにやするだけで黙ってしまう恥ずかしがりやの性格です。
誕生日に抱負をきくのは毎年のことですが、そろそろ年頃だし、そうした父親との問答には付き合ってくれないかなと思いつつ、戸惑っている息子に「正解はないからね。テストじゃないから。」「時間かかってもいいから、考えてみて」などとねばってみました。
すると、しばらく考えたのち、まさに今回誕生プレゼントで買ってあげたスマホのところまで行き、なにやら打ち込み始めました。LINEで送られてきたのは、

「頼られる先輩」

でした。
内容もさることながら、息子が父親の投げかけに真摯に付き合ってくれたことが本当にうれしく、また悩んだ末にスマホを買ってあげてよかったと心底思いました。こんな副産物があるとは。

 「頼られる先輩」とは、小学校の金管バンドでのことです。息子の学校の金管バンドは歴史も実績もあり、毎日朝練と放課後練をするほど力を入れています。息子はそこでトロンボーンを吹いています。春からは6年生としてパートリーダーを任せられており、後輩の5年生と4年生に指導する立場になりました。

 また息子の抱負がDoingではなく、Beingで描かれていることもうれしかったです。何をやるかではなく、どんな存在でいたいか。抽象的ですが、とてもビジョナリーです。
 そこで私は、1年前から学んでいるコーチングを試してみようと思いました。自分の腕試しも兼ねて、息子が目標に近づくためのサポートをしてみようと思いました。ちなみに、息子にコーチングをするのははじめてです。

「へー、いい抱負だね。誰か理想とする人はいるの?」
「うん。いま中学生になった先輩」
「いるんだね。どうするとその先輩のようになれるかな」。
「・・・・・・・・」
「その先輩が富士山の頂上、つまり十合目にいるとすると、君は今何合目かな」
「・・・・・6合目、かな」
「どうすると、その四合分を登れる?」
 すると、しばらく考えたのち、またスマホを持ち出して打ち込み始めました。言うのが恥ずかしい内容は、LINEを使うようです。

「明るく接する」

「へええ、明るく接するっていいよね。他にはあるかな?」
ここからは、隣に座っているのにLINEでの返答がつづきます。奇妙なコミュニケーションですが、ちゃんと考えて答えてくれる息子が愛おしく感じます。
「全体をみる」
「全体をみるね。全体って具体的にはなんだっけ?」
「全部のパートをわかっていること」
「なるほどね。大事だよね。ほかには?」
「聞かれたことにすぐ答える。わかりやすく教える」
「色々出てきたね。すごいじゃん」

最期は具体的な行動に落とし込んで、促します。
「じゃあ、その中で明日からでもすぐにできることはなんだろう?」
「明るく接する」
「明るく接するって、具体的には?」
「会ったらあいさつする」

 パチパチパチ。こうして、息子とのはじめてのコーチングを終えました。このえも言われぬ達成感は、なんでしょうか?息子が考え、返答してくれるまでの時間は、まさにゴールデンタイムでした。

 最後まで付き合ってくれた息子に感謝です。なんとなく、息子も満足げでした。これで目標と行動の言語化ができたと思うので、あとは息子がどう取り組むかです。

 こうして文章にしてみて気づきましたが、どうして「頼られる先輩」になりたいのか。「頼られる先輩」になると、何を手にするのか、一番大事なところをきき忘れていました。

 私のコーチングもまだまですが、一方でいきなりヘビーな質問をしても息子に負担かなとも思ってしまうのも正直なところです。同じ家に住む家族なので、ゆっくり、経過を楽しみに、ウザく思われない程度に息子の旅を見守っていこうと思います。


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