もうすでに、すでに勝っている!!
はい、これはトリコ単行本27巻で
トリコがグルメ騎士団長・愛丸より
”アルティメット・ルーティーン”を
学んでいる時に愛丸が言った言葉です。
P23が愛丸がルーティーンとは何かを
熱弁します。以下セリフを抜粋:
”まずはイメージするんだ、トリコ‼
兎に角思い込むことだ‼
思考は力を生み。。。。
エネルギーとなる。。。。‼
確信しろ‼
その結果は動かない‼
揺るぎない‘勝利のリズム‘‼
’勝つイメージ’こそが
究極のルーティーン‼‼”
(トリコ、27巻P23-P24)
いやぁ、かっこいいですね。
素晴らしいです。
やっぱ、ここだけ見ると
トリコにはジョジョの
要素も確実に入っています。
ここ10‐20年でこういった
ルーティーンや
イメージ、もしくは
ビジュアライゼーションなど
パフォーマンス影響する
メンタルスキルを取り扱った
スポーツ心理学が発達してきています。
*ここではスポーツ心理学を
取り扱います。臨床心理学は
取り扱いません。メンタルヘルスで
悩んでいる人は必ずライセンスを
持った臨床心理士の方と話しましょう。
鬱などのメンタルヘルスは
選手の健康に多大な影響を
与えます。絶対に一人で
抱え込まないようにしましょう。
必ず道はあります。
ここでお知らせ:
有料のメンバーシップコミュニティーを開設しました。
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それではここから無料ポストです!
精神を磨く:ルーティーンとビジュアライゼーションの役割
"参ったな。。。
ここまでリハーサル通りだと。"
最強トーナメント編で
烈海王と対戦している時に
刃牙が言った言葉です。
(もしくはこれに近い言葉)
激闘を演じている息子の
試合は見ずに父・範馬勇次郎は
東京ドームの駐車場に
佇んでいます。
彼の目の前に広がるのは
血と壊れた壁です。
それを見ながら勇次郎は
嬉しそうに刃牙がどんな
シャドーをしていたのかを
全身で感じています。
そして、場面変わって
刃牙は烈に”イメージ”の
いや、思い込みの凄さを
本物と戦っているかのような
シャドーボクシングや
思い込みの力で手に傷を
つけることで説明します。
(*バスタードとかに出てくる
聖痕もこの原理なのかな?)
ここで大事なのは刃牙が
”自分が追い込まれる”
ですが、先述通り
メンタルスキルの中にある
ビジュアライゼーションの
一種です。
ビジュアライゼーションと聞くと
どうしてもポジティブな結果を
考えるのがビジュアライゼーションと
考えてしまいがちです。
答えはNoです。
これは自分が良く聞く
ポッドキャストで
スポーツ心理学者の
Dr. Michal Gervaisが
ホストをしている
Finding Masteryというもので
聞いたものです。
その時のゲストは
National Geographicsに
何度も写真や映像を
提供している
登山家・映画監督 である
Jimmy Chinです。
https://findingmastery.com/podcasts/jimmy-chin/
彼の最高傑作は二つあるのですが
その一つは”Free Solo”です。
このドキュメンタリーは
プロのクライマーである
Alex Honnoldが機材を一切つけずに
El Capitanを登り切るまでを
収めたものです。
https://www.youtube.com/watch?v=89H0BHXjkXI
これを撮影するのに数年かかったと
Jimmyは言っています。そして、
最初は”絶対に撮らない”とAlexの
計画に反対していたそうです。
撮影をすることになり
Alexとより長い時間を
過ごす事となるJimmyは
あることに気づきます。
Alexはかなりの時間を
”ビジュアライゼーション”に
使っているという事です。
ですが、これは巷で流行っている
”ポジティブ”な事だけを
考えるチープなビジュアライゼーション
ではありません。
後述しますが、
”自分が足を踏み外したり、
手が引っ掛からなかったり
一歩間違えれば死に至る
間違いを犯したときに
どう動くか?”
つまり、最悪もビジュアライゼーション
しているとのことでした。
そこでDr. Gervaiも聞きます。
”Jimmyもするのか?”と。
”私もしますよ。一歩間違えれば
死が待っているので、
間違った時の事を考えて
先ずなれるようにしています。”
二人とも一歩間違えれば
取り返しのつかない場所で
仕事をしています。
そんな彼らが恐怖と
向き合う為に敢えて
ポジティブだけではなく
ネガティブな事も
ビジュアライゼーションしている
という事実を我々は
真摯に受け取らないといけません。
スポーツのエリートの世界では、
しばしばフィジカルやスキルの
レベルが一致しているため、
試合中に精神的な側面で
優れている選手に
軍配が上がる事がしばしばあります。
トップアスリートが
パフォーマンスを
向上させるために実践する
二つの重要なメンタルスキルは、
プリパフォーマンスルーチンと
ビジュアライゼーションです。
これらの技術を理解し、
実践することで、
アスリートが自分の可能性を
最大限に発揮し、最高の瞬間を
手にするための
ゲームチェンジャーとなる
可能性があります。
プリパフォーマンスルーティーンの力
プリパフォーマンスルーチンは、
英語ではRitual、つまり儀式とも
言われることがあります。
これはアスリートがバッティングなどの
タスクを実行する前に行う
一連の行動と思考のセットです。
次のビデオはMLB選手の
バッティング前のルーティーンです。
このルーティーンンは
迷信ではなく
最適なパフォーマンスを
するための舞台を
設定しています。
これがどのように
役立つかを見てみましょう:
一貫性とコントロール: プリパフォーマンスルーティーンは、パフォーマンスの一貫性を確立するのに役立ちます。同じアクションを各イベントの前に実行することにより、アスリートは外部条件に関係なく、自分がコントロールできる自分にとって慣れ親しんだ精神環境を作り出します。この一貫性は不安を減らし、集中を高めることができます。
焦点合わせと集中力: 常に決まったルーチンに従事することで、アスリートは気を散らすものから身を守り、今ここにあるタスクに集中することができます。
最適な覚醒度の確立: 各スポーツには、最適なパフォーマンスに必要な異なる覚醒レベルがあります。ゴルファーには落ち着いた状態が必要かもしれませんが、アメリカンフットボールのDEには爆発的でエネルギッシュな精神状態が有益かもしれません。(もちろん個人によります。)プリパフォーマンスルーチンは、特定のスポーツに適した覚醒レベルを達成するのに役立ちます。
ビジュアライゼーション/メンタルイメージ
ビジュアライゼーション、
またはメンタルイメージは、
実際に行う前にタスクに
成功や失敗している
場面を想像することです。
この技術は、
心が実際の体験と鮮明に
想像された体験を
よく区別できないという
考えに基づいています。
ですが、ここでもう一度
書いておきますが
必ず自分が失敗する所と
その失敗からどう立て直すか
をビジュアライゼーション
しておきましょう。
はじめの一歩でも
幕ノ内一歩はシャドーで
仮想敵を宮田にしていた際は
想像の宮谷に殴られていました。
また刃牙は想像の列海王に
血反吐を吐かされています。
そして、直近の実際の例では
´24年5月6日に勝利した
井上拓真選手と井上尚弥選手。
1Rでのダウンをものともせずに
見事勝利しました。
井上尚弥選手の場合は
初めてのダウンでは
ないでしょうか?
そこから立て直すのは
さすがです。
まぁ彼らが
ビジュアライゼーションしている
かは知りませんが
自分が予期し事態を
想像しておくのは大事です。
ビジュアライゼーションが
パフォーマンスを
向上させる効果を
見てみましょう:
既知の効果: 成功と失敗をしている自分を想像するアスリートは、既に実際に起こったかのように成功と失敗を経験しているので、実際の試合中に恐怖が減少し、確信が増します。特定のスキルや戦略のリハーサルに役立ち、競争中に発生するであろう様々な局面に備えることができます。
自信の向上: 成功・失敗を定期的にビジュアライゼーションすることで、成功の仕方を知っていることや失敗してからの立て直しを知っているのでアスリートの自己への信頼と自己効力感を強化することができます。あらゆる状況に対処できる能力を自分は持っていると信じることで、戦いの半分を勝ち取ることです。(並大抵の準備ではありませんよ。もちろん。)
神経筋の利点: ビジュアライゼーションは、実際にアクションを実行するのと同じ脳のニューラルパスウェイを刺激することができます。これは、アスリートが技術、強さ、および調整を物理的な練習と並行してメンタルな練習を通じて向上させることができることを意味します。
メンタルスキルの実践
プリパフォーマンスルーティーンと
ビジュアライゼーションを
効果的に実践するには、
練習と一貫性が必要です。
(一貫性を持って
何度も、繰り返し出来るか?
が非常に大事になります。)
いくつかのヒントを紹介します:
パーソナライズされたルーチンの開発: 出来れば指導者の方と一緒になって、特定のニーズとスポーツの要求に合ったルーチンを作ってみます。これには、ウォームアップ、メンタルチェックリスト、または戦略的な計画が含まれる場合があります。
定期的な練習: 物理的なスキルと同様に、メンタルスキルも定期的な練習が必要です。様々なシナリオや結果を想像しながら、毎日のトレーニングにビジュアライゼーションを取り入れてください。(妄想ではありません。ここにはVRも有効かもしれません。)
柔軟で適応性のある状態の維持: 一貫性が鍵ですが、あまりにも柔軟性がないと逆効果になることがあります。自身が成長するにつれて、そして自分を取り巻く状況や環境が変わるにつれて、ルーチンとビジュアライゼーションの練習にも適切な変化を入れ準備をしてください。
結論として、
プリパフォーマンスルーチンと
ビジュアライゼーションは、
アスリートにとって強力なツールです。
これらは、特にハイパフォーマンスを
一貫して発揮しなければいけない時に
特に役立ちます。
これらのスキルを
マスターすることによって、
アスリートは身体的なパフォーマンス
や技術を向上させるだけでなく、
競争相手との差をつける
精神的な優位性を獲得します。
以上