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ラグビー・オフシーズントレーニング 3 :”フェーズ2でやること” by Ashley Jones

我々の業界で伝説的なS&Cコーチ、Ashley Jonesから彼のブログを日本語訳してくれないかと頼まれ、二つ返事で'Yes'と答えました。


本稿筆者:Ashley Jonesってどんな人?


"Ashley Jonesは日本のラグビーとも関係が深く1999年にサントリーサンゴリアスの、そして2008−2013にはサンヨー/パナソニックのパフォーマンスコンサルタントとして関わっています。そして、20年以上S&Cコーチとして世界トップレベルのラグビーチームで結果を残しています。彼が関わった代表チームはオールブラックス、ワラビーズ、スコットランド、そしてサモア。プロクラブチームはクルセイダース、エディンバー、ステイドフランセー、そして(現在は)MLRのヒューストンセイバーキャッツ。(佐々木より)彼のS&Cとしての知恵は本当に素晴らしいものがあります!是非とも学んでいってください!"

https://www.elitefts.com/education/programming-for-a-full-off-season/

原文:Programming for a Full-Off Season

このポストにあたっての注意


*原文は全て英語になります。

**このラグビーのシーズンは彼が所属しているアメリカのMLRのスケジュールを元にしています。

***和訳にはかなり意訳も入っています。英語ではこういうが、日本語ではこういうと意味が通りやすいという場面がやはりでてくるので。もし不自然に感じた方は是非ご連絡をください。もしくは原文を読んでみてください。

****補足は(佐々木)としています。

オフシーズントレーニングで大事なこと

ここでは純粋にS&Cサイドの要素だけに焦点を絞りました。ただスキル練習もフィジカルの準備と共にやっていくことが大事になってきます。両方をしっかりやることによりコーチたちが選手たちに臨む準備度(レディネス)が向上します

フェーズ2の概要:トレーニング計画

Phase 2:9/6-10/10 5週間

フォーカス: 

筋力&筋肥大+有酸素ランニング

オフシーズンのフェーズ2から爆発力を養うトレーニング入れていく時期で、オフフィートだけで代謝を上げるトレーニングから有酸素が中心となるランを再導入も考えていきます。もしグループを相手にしているのであれば、試合形式のコンディショニングゲームをランに絡めてもいい。試合形式にすればトレーニングの強度を上げられるだけではなく、楽しさや試合に必要なスキルをメタボリックトレーニング追加できる。

(佐々木)コンディショニングゲームの例:

5週間のトレーニング計画

Mechanical:これはAshがよく使う言葉で、筋肥大と筋力を向上させるためのエクササイズのことです。 Armor Plating:スーパーセットで体を追い込み、”鎧のような体”を作るAshの造語。
Neural: より効果的にパワーを発揮するために脳神経系を強化するトレーニング
FB:全身 OFF:レスト Optional Circuit:必要であればするサーキットトレーニング UB:上半身 LB:下半身

フェーズ2の内容

フェーズ1にあったMechanical、つまり筋組織を強くするトレーニングやサーキットに加えて全身の筋肉と神経を繋がりを強くするトレーニングを追加していきます。
FB Neural(全身トレーニング:脳神経系)

1x 股関節中心で爆発力を養うエクササイズのスーパーセットに下半身のプライオメトリクスかメディシンボールスロー

1x 膝関節中心で爆発力を養うエクササイズのスーパーセットに下半身のプライオメトリクスかメディシンボールスロー

1x 上半身のプッシュの爆発力を養うエクササイズのスーパーセットに上半身のプライオメトリクスかメディシンボールプッシュ

下記がFB Neuralのセットとレップスのスキームです。」

1週目:4セット6回 と 4セット12回

3週目:4セット4回 と 4セット8回

5週目:4セット6回 と 4セット 12回

(佐々木):エクササイズ選定例

スーパーセット1
1)  バーベル・ハングパワークリーン、もしくはバーベル・ハングハイプル
2) ボックスジャンプ、もしくはウインドミル・メッドボールスロー

スーパーセット2
1) バーベル・プッシュプレス、もしくはバーベルスクアットジャーク
2) ポゴジャンプ、もしくはブロードジャンプ

スーパーセット3
1) スミスマシン・ベンチスロー
2) メッドボール・チェストパス

下記のテーブルは私のシーズナルチャートからのもので、各要素で自分が最もよく使うエクササイズが入っています。セットやレップスに関しては強度やボリュームを上げ下げするフェーズ1と同じです

Run Conditioning /ランによるコンディショニング

Week 1 :

セッション1:火曜

1) テンポラン:3セット10回100m
(内容)100mを20秒で走って、トライラインからファーコーナーまで40秒間歩く、10回を1セットとして、セット間のレストは5分でアクティブレストにする。 

セッション2:木曜

1)  ユーロフィット:15秒オン15秒オフ 距離は78m、2セット8回、セット間のレストは2分間

2) ダブルブロンコレップス: 3レップスを2セット

内容:

  • 後述のブロンコランの2回(合計走行距離480m= 2x240m)を3レップス (合計走行距離1440m=3x480m)

  •  各レップは3分ごとに発生する

  • スタンダートとしてブロンコラン2回は出来るだけ2:15で走り切れるようにする。つまりレップ間のレストは45秒になる。もちろん2:15以内入ることが出来れば、それだけレップ間のレストは長くなる

  •  セット間のレストは4分間

(佐々木)
ブロンコ自体の説明:ラグビーでよくやっているブロンコは合計走行距離1.2kmを240mのシャトルランで達成します。

ブロンコの図(Silva R et.al. 2021より引用)
1)20mの折り返し 合計40m
2) 40mの折り返し 合計80m
3) 60mを折り返し 合計120m
総走行距離240m x 5回=1200m (1.2km)


(ブロンコ・ランのビジュアル)
https://youtu.be/jQ3F9HOobE0


Week 2

セッション1:月曜

1) ブロンコラン

2) 2.4km or 3km をタイムトライアルで。(鬼だ)


セッション2:水曜

  1. Bronco Ladder(what’s the total distance? 1 rep=240m?)

  • 1レップ(240m)を50秒で, レストは 30秒

  • 2 レップ(480m)を1分55秒で, レストは60秒

  • 3 レップ (720m)を3分で, レストは90秒

  • 3 レップ (720m)を3分10秒で, レストは90秒

  • 2 レップ(480m)を 2分05秒で,レストは60秒

  • 1レップ(240m)を55秒で, FINISH

2. VO2グリッド(20秒x20秒)2セットx3分間、

(内容)
- 70-80mx40-50mの長方形をフィールドに作る。
- 各辺を20秒で走り切る
- セット間のレストは1.5分

セッション3:土曜

  1. 200/100 drill x 4 4セットx200m/100mドリル 

(佐々木)セット間レストは2分

(内容)

  • 200m in < 40 seconds, rest 20 seconds 200mを40秒以内で、レストは20秒

  • 100m in < 20 seconds, rest 40 seconds 100mを20秒以内に、レストは40秒

2.  4セットxA) コートハンガー+B) ハーフギャサー
(佐々木)セット間レストは2分

(内容)
A:コートハンガーのやり方

  • スタート地点はハーフウェイラインとサイドラインが交わるところ

  • そこからどちらかのゴールポーストまでスプリント、反対のゴールポストまで走る

  • 反対のゴールポストまで走り切ったら、スタート地点まで走る

  • これを45秒で


B:ハーフギャッサーのやり方

  • サイドラインの外で腹這いの状態になり、反対のサイドラインにスプリント

  • 反対のサイドラインに着いたら、また腹這いになる

  • 素早く立ち上がって、スタート地点までスプリントする。

  • これを30秒で

Week 3 & 5(火曜・木曜)

  • ドリルシート(上記でも、他のドリルでも)から特定のランドリルを選ぶ、総走行距離が3−4kmにする

Week 4(月曜・水曜・土曜)

  • 長めのコンディショニングセッションにして、総走行距離が5−6kmになるようにする。

以上

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