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ウェイトトレーニングの基本動作:上半身のプッシュ/プレス&プル

世の中には色々な要素に分けて何かを伝える方法がたくさんあり、もちろんウェイトトレーニンにも沢山ある。前回、自分はトレーニングを6種類のカテゴリーに分けた。ボディービルダーは体を筋肉に分けるが、S&Cコーチは動きで分ける。これも前回紹介した通りだ。

上半身の動きはシンプルだ。基本的には3つしかない。

1:何かを自分の体から遠ざける・押し返す、プッシュ

ブロックやスティフアームなど人を押し返す動作はプッシュ

2:プッシュの派生で、何かを頭上へと持ち上げる、プレス

ラグビーのラインアウト時のリフトなど何かを持ち上げる時はプレス

3:何かを自分の体に近づける、プル&トーイング

タックルなどで人を自分に近づける時はプル・トーイング

がある。そして、長年の経験から自分はこれらを2つの関節中心のエクササイズに分ける。これはどこかに書いてあるとかというものではなく、次回に書く下半身のエクササイズは膝中心と股関節中心に大抵の場合は分けれられるので、上半身もそうではないかとずっと考えていたからだ。これらは自分の経験から来る感覚的なものだから、間違っている可能性は大いにある。ただ以下のようにエクササイズを分けると、自分はすっきりする。

1:肩関節中心
=> より体の中心に近づくので力を発揮しやすい。また腕を安定しやすいので肩や肘に怪我を負うリスクが少ない。

2:肘関節中心
=>体から離れているので、どちらかといえば肩と肘が不安定になりやすい。つまり、肩や肘を怪我するリスクが高い。野球のピッチングや槍投げなどではこの肘中心のエクササイズもしていないと怪我をしやすくなるのではないか?と自分は思っている。

どこの関節が中心となっているかに着目する理由は

1:Joint by Jointの関係から、一方が痛くなった場合にもう片方をチェックしてみるということが自動的に思い浮かび、リハビリや競技復帰のサポートがしやすくなる。

2:またリハビリ中にどの関節が中心の怪我なのかを知ることで、”怪我をした関節に負荷をかけずに負荷をかける”ということが可能になる。

などがある。自分は医療従事者からフィジカルパフォーマンスに目を向けた人間であり、主に怪我からの競技復帰をサポートすることが多いのでこういう考え方になったのかもしれない。ただしここに書いた肘・肩中心は自分の考え方なので、”フーン”と思ってくれていればいいです。

人間の体には本当に多くの筋肉が存在する。それら一つ一つの動きが合わさって複雑な動きとなっていく。動きを一括で理解することも一つ一つの動きを理解することも非常に大事だと思う。

さて、ここからは具体的な例を上げていきたい。

プレスは、もうショルダー プレス の一択であるが、これにもどの器材を使うのか(ランドマイン 、バーベル 、ケトルベル など)、負荷のベクトルの向き(バンドを使えば引っ張る方向変えた状態でプレスしたりする)、姿勢を変える(立ったまま、片膝をつく、など)などなどかなりのバリエーションが出来る。これも競技復帰に携わってきたから身についた考え方であろう。

特にSPPの時にはよりバリエーションを豊富にランドマインプレスを使っている。


プッシュは腕立て伏せ、ベンチプレス などがある。自分は基本的にベンチプレス を自分のアスリート達にはさせない。と今ままでは書いていたが、もちろん文献でベンチプレスとパフォーマンスの関係性が証明されていれば使う。

プルは懸垂やローイングなど自分やダンベルなど引っ張る種目。

そしてトーイングである。日本語ではあまり馴染みがないが、これも引っ張るという意味がある。エクササイズの例としてはダンベル・フライがそれだ。Dan Johnがこのことを言って、自分はなるほど、と思った。なぜならアメフトやタックルをする際にはダンベル・フライの動きのように腕を動体に巻き付けるからである。

タックルをする際には必ず腕を相手の体に巻きつけようとする
なので相手を逃さないためにも、巻き付ける力を強くする必要がある。

以上が、ウェイトの基本動作:上半身編です。次回は下半身を紹介していきます!


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