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「ゼイ・クローン・タイローン」を観た
先日、Netflix映画「ゼイ・クローン・タイローン」を観ました。
久々に「お、おお!」となる映画だったので記事にすることに。
もちろん「お、おお!」では何も伝わらないので、僕における「お、おお!」の意味を説明していきます。
ちなみにあらすじは以下。
一連の不気味な出来事がきっかけで、極悪非道な政府の陰謀に巻き込まれる意外な3人組(ボイエガ、フォックス、パリス)が繰り広げる荒唐無稽なミステリー。
まず結論からいうと、この映画の世界観にシビレました。どれくらいシビレたのかというと、冒頭20秒くらいから「お、おお!」と言ってしまうほど。
最初は黒人の人たちが会話をしているシーンから始まるこの映画、そのど頭のシーンから画がカッコイイんです。
僕は映画の1シーンの見栄えを説明できる語彙持っていないので、カッコイイという安易な表現しかできないんですけど、開始早々から五感にビシビシと訴えてきました。
オープニングのシーンからここまで感心した理由のひとつはたぶん映画の「手ざわり」にあると思います。
「ゼイ・クローン・タイローン」はフィルムで撮ったのか、画面全体にザラザラとした質感があるのが特徴です。この映画がザラザラ感を通して再現しようとしていたのは、たぶん60~70年代のグラインドハウス映画的な雰囲気なのではと思いました。
グラインドハウスとは、エクスプロイテーション映画やB級映画などを2、3本立てで上映していたアメリカの映画館のこと。
スマホなどの現代的なデバイスを劇中にださないことで時代設定を明確にしていないのも、グラインドハウス的B級映画の雰囲気を醸しだすためだったのだと思います。
ジェイミー・フォックス扮するピンプの服装のB級っぽさもそう、映画全体が少しタランティーノ映画のような見た目。
で、この映画のそんな「手ざわり」が僕にはものすごく刺さったというわけです。
他にもシビれた箇所はあります。
例えば、これまた映画全体に詰め込まれたアメリカ西部の黒人生活感。
Hip-Hop 的な表現を使えば、ダーティサウスな感じです。
ニッチな表現で申し訳ないんでが、Hip-Hop好きの僕としてはこの表現はどうしても使いたくて。
ちなみに劇中の音楽も、西部出身のHip-Hopアーティストの楽曲が多く使われています。
主人公たちが教会に行くシーンでは、ダーティサウスの大御所Juvenileの名曲Back That Azz Upをオルガンで弾いていたりと、劇中の音楽が光っているのもこの映画にシビれた理由です。
もちろん、物語自体が面白かったり、キャラクターがすごく良かったり、Black lives matter的なメッセージ性があったりと他にも言及したいことは色々とあります。
でも、そこまでこの記事を長くしたくないのと、脚本とポリティカルな部分に関する意見を書くのは僕には少し難しいので、これらについては他のブログを読んでみてください。
「ゼイ・クローン・タイローン」は好き嫌いがわかれる映画だと思います。ただ、一見の価値は間違いなくありです。
時間がある時にぜひNetflixで見てみてください。
あ、最後に。
この映画、「俺たちクローン」っていう邦題みたいなのがくっついてるんですけど、つくづくダサいと思いました。
わざわざダサい邦題をつける風習はなぜ無くならないんだか。