
これからの時代に求められるリーダー像:支援型? or 支配型?
はじめに
さて、リーダーになったものの、自分はどんなタイプのリーダーを目指したらいいんだろうか?
そもそもリーダーにはどんなタイプがあるんだろうか?
これからの時代にはどんなリーダ像が求められているんだろうか?
という疑問を持った方に向けて、これからの時代に求められるリーダー像について解説してみました。
変化の嵐が吹き荒れる現代
かつてないほどのスピードで社会が変化する現代は、不確実性と複雑性に満ち溢れています。 AIやロボットなどのテクノロジーの発展は、私たちの生活様式や仕事のあり方を変革し続け、同時に多くの課題を突きつけています。
このような変化が激しく、先行きが不透明な現代社会は、VUCA(ブーカ)時代と呼ばれています。
VUCA時代とは、現代社会を特徴付ける4つの要素の頭文字を取った造語です。
Volatility(変動性):変化のスピードが速く、予測困難
Uncertainty(不確実性):将来の予測が困難
Complexity(複雑性):問題や状況が複雑
Ambiguity(曖昧性):何が正しいのか判断が難しい
これらの要素が複雑に絡み合い、将来の予測が困難な時代を指します。
今回は、こうした時代にはどのようなリーダー像が求められるのがを考えてみます。
最後に、これからの時代に求められるリーダー像についてまとめています。
支援型と支配型、ふたつのリーダーのタイプについて
従来のリーダー像といえば強いリーダーシップを発揮して組織を引っ張る「支配型リーダー」が主流でした。 しかし、変化の速い現代では、支配型リーダーだけでは対応しきれないケースも増えています。
そこで近年注目を集めているのが、「支援型リーダー」です。
支援型リーダーは、メンバーの自主性を尊重し、個々の能力を最大限に引き出すことをに重点をおいています。
支援型リーダーの特徴
メンバーの意見に耳を傾け、積極的にコミュニケーションを取る
メンバーの成長を支援し、能力開発を促す
チームワークを重視し、協力的な環境を作る
メンバーのモチベーションを高め、自主性を引き出す
メリット
メンバーの自主性と成長を促進する
多様な意見を取り入れ、柔軟な対応が可能
チーム全体のモチベーションを高める
イノベーションや創造性を促進する
長期的な視点でチームを育成できる
デメリット
意思決定に時間がかかる
責任の所在が曖昧になりやすい
メンバーの成長度によって成果に差が出やすい
リーダーに高いスキルと経験が求められる
支配型リーダーの特徴
指示命令を重視し、トップダウンで意思決定を行う
強いカリスマ性で組織をまとめ、統率力を持つ
高い目標を設定し、メンバーに達成を要求する
迅速な決断力と実行力で組織を導く
メリット
意思決定が迅速
短期的な目標達成に強い
チーム全体の統制が取れやすい
緊急時や危機的状況に強い
明確な指示でメンバーは迷いなく行動できる
デメリット
メンバーの自主性を阻害する
メンバーのモチベーション低下を招く
多様な意見を取り入れにくい
イノベーションや創造性を阻害する
長期的な視点でのチームの育成が難しい
これからの時代に求められるリーダー像
変化の激しい現代においては、状況に応じて柔軟に対応できるリーダーシップが求められます。 そのため、支援型リーダーと支配型リーダーの両方の要素を持ち合わせ、状況に応じて使い分けることが重要です。
具体的には、以下の能力を身につけると良いでしょう。
変化への適応力: 変化を恐れず、新しい環境に柔軟に対応できる
コミュニケーション能力: メンバーと積極的にコミュニケーションを図り、信頼関係を築く
問題解決能力: 複雑な問題を分析し、最適な解決策を見つける
決断力: 迅速かつ的確な判断を下し、組織を導く
人材育成能力: メンバーの能力開発を促し、組織全体の成長を図る
従来の支配型リーダーは、明確な指示と強い統率力によって組織を効率的に運営することができます。
しかし、変化の速い現代では、メンバーの自主性や創造性が不可欠です。
そのため、支援型リーダーの要素を取り入れることで、メンバーの力を最大限に引き出し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
まとめ
これからの時代に求められるリーダー像は、支援型リーダーと支配型リーダーの両方の要素を持ち合わせ、状況に応じて使い分けることができる人物です。
変化への適応力、コミュニケーション能力、問題解決能力、決断力、人材育成能力など、様々な能力を磨き、組織を成功に導くことができるリーダーを目指しましょう。
私の経験
私が出会ってきた少林寺拳法の指導者の多くは支配型リーダーでした。
技の掛け方や練習方法など「これはこうするのだ」と明確に指導してくれました。
技を覚えたての頃は、このような明確な指示が分かりやすくおおいに助かったのですが、自分で考え、工夫をするようになると、場合によっては否定されるようなこともありました。
また、自分のやり方を一方的に押し付けてくるような指導者もいました。
仕事の場面でも同じようなことがありました。
否定されたり押し付けられたりすることが続くとモチベーションは低下します。
また、行動の目的が「否定されないこと」「怒られないこと」「失敗しないこと」になり、新しい挑戦をする意欲が削がれます。
その結果、組織の意欲はどんどん内向きになってしまいます。
このような経験から支配型リーダーだけではリーダーシップは十分に機能しないと実感できます。
一方、コーチングを学ぶ過程で支援型リーダーシップに触れると、モチベーションが上がり、多くのことに挑戦してみようという意欲も湧いてきました。
支配型リーダーと支援型リーダーの両方の要素を持ってその時々に応じた運用ができるというのはとても重要なことであると思います。