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【11】 セルフ・トークが自己イメージをつくる

自己イメージは、私たちの認識や行動に強い影響を与えています。
私たちのマインドには、自己イメージを維持するように、認識や行動を調節する働きがあるためです。


では、自己イメージはどのようにつくられるのでしょうか?

自己イメージも他の信念と同様、思考が積み重なって形成されています。

私たちの思考は3つの軸で行われています。
3つの軸とは、言葉(word)映像(picture)感情(emotion)のことです。

私たちはまず言葉で思考します。
その言葉は、私たちのマインドに、言葉が意味する内容を映像として描き出します。
そして、その映像は感情を喚起します。

この言葉、映像、感情が、思考の3つの軸です。


この「言葉、映像、感情」の一連の流れは、セルフ・トーク(self-talk)とも呼ぶことができます。
セルフ・トークとは、自分自身への語りかけのことです。
自分自身へ語りかける言葉映像を生み出し、感情を喚起します。

そして、セルフ・トークが積み重なることによって、自己イメージが形成されます

例えば、「自分はコミュニケーションが下手だ」という自己イメージを持っている人は意外と多いように思います。そのような自己イメージを持っている人は、過去の何らかの場面でうまくコミュニケーションが取れなかった時に「自分はコミュニケーションが下手だ」と思ったのかもしれません。あるいは、他の人にそういうことを言われたことがあるのかもしれません。

一回このように思っただけでは、自己イメージにはなりません。
しかし、私たちはマインドの中で、自分自身に語りかけた言葉、あるいは他人からかけられた言葉を無意識に繰り返してしまいます。
その言葉をマインドのなかで自分自身に語りかけるたびに、「自分はコミュニケーションが下手だ」と思うきっかけとなる場面や、他人からそのような言葉をかけられた場面の映像を思い出します。
そして、その場面で経験した感情を再び感じます。
ある場面を感情をともなって思い出すことは、マインドにとっては実際に経験することとほとんど変わりません。
そのため、このようなセルフ・トークを繰り返すことで、マインドにとっては何度もその場面を経験したのと同じことになります。

こうして、その場面が強い情動記憶として定着するとともに、「自分はコミュニケーションが下手だ」という自己イメージが形成されます。
そして、自己イメージに合う行動や振る舞いをすることになります。

これは、ポジティブな自己イメージにおいても同様です。
例えば、サッカーを練習している子どもが、ある日の試合でゴールを決めたとします。
そのときにコーチやチームメイトから「天才だ!」といった言葉をかけられたとすればどうなるでしょう?
その言葉をマインドの中で自分自身に語りかけるたびに、一連の場面を映像として思い出します。
そして、そのときの嬉しい、誇らしいといった感情を再び体感します。
そのようなセルフ・トークを繰り返していれば、「自分はサッカーが得意だ、天才だ」という自己イメージが形成されます。

このように、自分自身に繰り返し語りかけている言葉によって、自己イメージは形成されてきたのです。

自己イメージは、セルフ・トークが決めます。

セルフ・トークをコントロールできれば、自分の望む自己イメージを形成することが可能になります。

ワーク
セルフトークは無意識に行われています。
セルフトークを変えていくための準備として、セルフトークを意識に上げる練習をしてみましょう。
普段、あなたは心のなかでどんな言葉を言っていますか?
何かが上手くいったとき、あるいは上手くいかなかったときには、どんな言葉を自分自身に語りかけていますか?

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