えんさんの今週の1冊 #5
副代表の遠藤(通称えんさん)です。
このマガジンでは読書好きな僕が毎週1冊の本をコーチングの視点から読んで紹介しています。過去の記事はコチラ。
今回紹介する本はコチラ。
『まず、ちゃんと聴く。』 櫻井将著
読みやすさ度★★★★
在り方重視度★★★
実践しやすさ度★★★★
持ち運びやすさ度★★★
こんな人にオススメ
・人の話を上手に聴きたい
・人間関係を良くしたい
・ストレスなく人の話を聴きたい
・相手の話に集中して聴きたい
・聴くだけじゃなく伝え方も知りたい
本の内容
意見や考え方の違う相手の話を
「我慢をせずに、ちゃんと聴く。」
「叶えないけど、ちゃんと聴く。」
「従わないけど、ちゃんと聴く。」
これは聴き方次第で実現する、と著者は語る。
上司部下の関係であっても、親子関係であっても、上意下達のコミュニケーションだけでは上手くいかないことを実感している人にとって、本書はたくさんのヒントを与えてくれるだろう。
また本書のユニークなところは、聴くことを大切に扱いながらも
「聴くだけでは上手くいかないことがある」
「教える・叱るなどの伝える行為も大切である」
という読者のリアルな悩みに寄り添っているところでもある。
「聴く」についての理論と、実践のための具体的なヒントとともに、聴くと伝えるの両立をどのようにしていくのか?について、本書を通して一緒に考えていける本。
こんなところがコーチング的
今回も企業の1on1の話が中心なのでコーチング的にはなりますが、タイトル通り「まず、ちゃんと聴く」というのがまさにコーチング的です。
そしてタイトルに「聴く」があるから聴き方だけの本かと思いきや、それだけじゃないところもコーチング的。
直近の2冊を読んでたから気づいたんですが、冒頭には「フィードバック」という言葉がたくさん出てきます。
今回の本のタイトルは「まず、ちゃんと聴く」なので、「まず」「ちゃんと」聴いたらその次はどうするの?となりますが、聴いた上での「伝え方」まで書かれているのがコーチング的です。
コーチはセッションで質問に対するクライアントの答えを聴くだけでなく、フィードバックするだけでなく、リクエストしたり背中を押したりと「伝える」こともあります。
ある意味「聴いているよ」という仕草や表情も「伝える」です。
それ以外のたくさんの要素を含めてコーチングなのですが、スタートは「まず、ちゃんと聴く」なのでまさにコーチング的と言えます。
この本のココが好き
「withoutジャッジメントで聴く」という言葉が好きです。コーチは自分の価値観で相手を判断するのではなく、相手の価値観に焦点を当ててセッションをします。
企業に勤めていると話を最後まで聴いてもらえることなんて少なくて、途中で遮られてその人の経験でモノゴトの判断をされたり、その人の価値観を一方的に押し付けられたりすることが多いです。
僕自身も先輩や上司に押し付けられる古い価値観に「昭和かよ」と心の中で(時に口から飛び出たりも 笑)何度も言ってきました。
それって「withジャッジメントで聴く」をされていたからで、コミュニケーションにおいては「withoutジャッジメント」で「まず、ちゃんと聴く」必要があると感じました。
あと、大好きになった言葉が「聴くの連鎖」
人に話を聴いてもらえた経験があるからこそ、人の話が聴けるようになります。
以前友人と話していて「ホンマそれ!」と思ったことがあります。
確かに多くの企業の飲み会って武勇伝・自慢話・愚痴・悪口のオンパレードな印象です。
だからこそ今、こういう本がよく売れているんだなと思います。
ただ、今の時代は会社にそれを求めなくてもサードプレイスでそういう場があることで「聴くの連鎖」を広げていけると感じています。
だから僕はコーチ仲間・カウンセラー仲間と会う機会を自ら作りに行っているというのもあります。
日常生活においては人に話を聴いてもらえたと感じる人の方が少ないのが現実ですが、その負の連鎖を断ち切り、「聴くの連鎖」を広げていく一員になりたいと強く願うからこそ、僕自身がまず、ちゃんと聴ける人になりたいと思っています。
最後に
著者の櫻井さんが代表取締役を務めるエール株式会社に僕もサポーターとして登録しています。
主に企業の管理職向けの社外1on1や聴くトレーニングを提供している会社なのですが、実際にセッションをしてみると相手の方の「聴けるようになりたい」という意欲を感じて嬉しくなります。
コーチングや「聴く」が機能しづらい日本ですが、エールを利用しようという企業や管理職が増えてきたら日本という国全体も元気や活気を取り戻していけると僕は信じています。
もし個人事業主や副業OKな会社にお勤めでエールの取り組みに興味を持たれた方がいらっしゃいましたらぜひエールのHPをご覧いただけると嬉しいです。
サラリーマンをしていると「話をちゃんと聴いてもらえた」という経験なんてなかなかできなくて、どこかで「言い返してやろう」「揚げ足を取ってやろう」「否定してやろう」「説得してやろう」というのが見え見えな状態で聴かれる気がするという方が多いのではないでしょうか?
いや、サラリーマンだけじゃなくて家族の間でも。
となると、エールのような会社の存在や「まず、ちゃんと聴く」という本の存在は社会に必要とされるものになってきそうですね。
聴く文化、聴くの連鎖がもっと広がることに貢献していきたいと改めて思える本に出合えたことに感謝です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
もし良ければ過去の記事も併せてご覧いただけると嬉しいです。
コーチング活用研究会のフォローや各種プランへの入会も大歓迎!
それではまた来週。