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グレーな案件を引き受けるのは辞める

正直、グレーな仕事を引き受けていた。主に著作権的に。

YouTube動画のナレーションの仕事を請け負うことが多いため、クライアント様には申し訳ないのだけど、胸を張って「このナレーションを担当しました!」と言えるような仕事はまずない。

法的に微妙なラインのYouTube動画のナレーション案件が多く、そんな案件をを引き受けるのは、実績のためとは言えかなりモヤモヤしていた。アウトだった場合、犯罪の片棒を担いでしまっていることになってしまうからだ。

それに、数字上の実績にはなるけれど、クライアント様にお見せできるような実績にはならない。過去の動画を提示してもらえないと、クライアント様的にも仕事を任せにくいだろう。

それに、「どんな動画を担当したか言えないなんて、今までどんな仕事してきたのか」と疑われてしまっても仕方ない。それでは実績になるどころか、引き受けることがマイナスにしかならないことになってしまう状況だった。


そんな中で、映画やドラマの映像を10分程度に再編集した動画を投稿していたYouTubeチャンネル「ファスト映画」の投稿者が、著作権法違反の疑いで逮捕されたというニュースが出た。

このニュースを見たとき、正直他人事のような気がしなかった。自分が関わっている動画も著作権法違反に当たるのではないかという不安と罪悪感が押し寄せてきたのだ。

これ以降、私はグレーな案件を受けないことに決めた。やはり、胸を張って言えないような仕事を受けるべきではない。誰かの不利益につながったり、法律に抵触してしまう可能性が高い案件は、もう受けたくないと思った。

そのタイミングで、継続的に案件を回してくれていたクライアント様からの連絡が途絶えた。やはりこの案件もグレーっぽいなと思っていたものだったから、ファスト映画の件を知って撤退をしたのだろうと思う。

それなりの単価をいただいていたのだけど、この件で、単価が良いからといって仕事内容がクリーンなものかどうかはわからないことを実感した。

仕事を受ける側としての意識が低かったことを、今は深く反省している。
もう二度とグレーな案件は受けないと誓う。


しかし、これだけグレーな案件が蔓延っているということは、それだけ視聴者に求められているからなのだと思う。みる人がいなければわざわざお金や労力をかけて動画なんて作らないだろう。

そして私のように、ナレーションに限らず、原稿作成者や、動画編集者なども、このようなグレーな案件を引き受けてしまうという現状があるのだ。

視聴者がいる限りこのような動画は減らないだろうし、そのような仕事を引き受ける人も減らないだろうと思う。だからこそ、受けるべきでない仕事を自分で見極めていかなければならない。

今後は気を引き締めて、グレーな案件には触れぬよう、また、触れてしまったらしっかりクライアント様に確認したり、法律に抵触しないか自分で調べたりして対処できるよう努めていきたい。

効果があるかわからないが、ひとまずプロフィール欄にお断りする条件を記載してみた。少なくともグレーな案件の相談が来たときに「記載しているお断り条件に当てはまるので」と言って断り易くはなるだろう。


そんなこんなで、一旦継続案件がゼロになってしまった私であるが、嬉しいことに、本日、提案していたクライアント様から連絡が来た。長期継続を希望されていて、単価も今まで受けていた案件のなかではかなり高いほうだ。

サンプル音声を提出して選考に参加するタイプの案件だったので、その中で選んでもらえたというのも嬉しかった。複数人採用されたのだろうけど、それでも選んでもらえたというだけで少し自信がついた。

そして今回は、初めてクライアント企業様の情報もいただくことができた。今まで企業の情報を開示してくれる方がいなかったことは残念だけど、真摯に向き合ってくれるクライアント様に出会えたのは素直に嬉しい。

実はまだ契約は完了していないので、ここから「やっぱりごめんなさい」ってされる可能性もあるんだけどね。油断はできないけど、またゼロからスタートする気持ちで頑張りたいと思う。

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こ林
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