オンラインイベントの始まり。
コロナ禍で仕事が一時激減するも、実験的プロジェクトからオンラインイベントオペレーションを確立
2020年のイベント業界のデジタル化は凄まじいものでした。新型コロナウィルスが広まり始めると、物理的に人が集まるイベントは瞬時に無くなって行きました。強い危機を感じたイベント業界人がほとんどでしょう。本当に仕事が何一つ無くなってしまったからです。
その年の5月。CNS Inc.(以後、CNS)では、自社メディアであるFINDERSが主催のオンラインイベントをCisco WebexとYouTube Liveを組み合わせてトライアル的に実施。これが配信会社の協力を得ない、CNS主催、全運営がCNSの初めての双方向オンラインイベントとなりました。東京・大阪・ニューヨークをつなげてのセッションで、私たちにとってかなり実験的でした。
その後も、ラップグループ「P.O.P(ピーオーピー)」の協力のもと、視聴者参加型の楽曲制作イベントや、オンラインライブ配信のサポートを行なうことを通してオンラインイベントオペレーションを確立させていきました。この時、チャレンジングな企画への取り組みがどこまで可能なのか、という双方向イベントの面白さを追求するだけでなく、爆撃などのリスクの経験、テレビ会議システムでの音響・映像の技術的な限界をこの段階で知れたことは、その後の実案件推進の際に非常に大きな糧となりました。
以前のCNSでは、イベントステージの演出・進行は自分達で行い、その配信に関する部分はパートナーの配信会社にお任せするスタンスをとっていました。しかし、コロナ禍以降、「配信」という言葉が意味するものが大きく変化しました。
いま言う「配信イベント」とは、テレビ会議ツールを使用したり、チャットや投票が行えるツールをライブ配信ツールと組み合わせて行ったりと、出来上がったコンテンツを一方通行で配信するのではなく、届ける部分で参加者とつながっていています。そのオペレーションは正にイベント運営なのです。
CNSのイベント運営を行う部署は、「コミュニケーションプロデュースグループ」です。「参加者とつながる」ことプランの中心に置いた施策で特に強みを発揮できるチームです。
コミュニケーションプロデュースのプロとして、このニューノーマルの「配信イベント」は私の優位性を示せるものと考えています。「プランニング」「プロデュース」「ディレクション」「オペレーション」の全ての工程を自分たちで対応することのできるCNSにとって、デジタルとフィジカル環境の両方の広大なフィールドで自分たちの実力を発揮できる時代となったと感じました。そして、イベントの概念が変わり、ワクワクの広がる広大なオーシャンがそこにあることを知ってしまいました。
2020年内に売上回復、仕事爆増。そして2021年へ。
活動が制限された3月〜5月の間に仕事が減った反面、これまででは考えられないくらい自分達のための時間もありました。その時間を使って、イベント運営を行うコミュニケーションプロデュースグループ(以後、CP)と映像制作を行うビジュアルプロデュースグループ(以後、VP)の有志が集まり、先に記載した自主イベントを行いました。それらのイベントを通してオンラインイベントオペレーションのトライを繰り返し、様々な経験をすることが出来たことが、今のCNSにつながっていると考えています。
実験的なプロジェクトに協力してくれる仲間にも恵まれ、さまざまなスタイルのオンラインイベントを1-2ヶ月の間に試し、今の礎となる経験と自信とノウハウを身につけることができました。
そこで見えてきたものをCNSとしてのオンラインイベントのセオリーとしてまとめ、これまでのイベントに代わる代替策を求めているであろうクライアントに紹介し始めたのが7月。
そのタイミングがちょうど、徐々にオンラインでのプロモーション活動を始めようとしていたクライアントともマッチし始めた頃でした。社会情勢としてはまだ先が見えない状態でしたが、6-7月にはプロジェクト依頼が続々と入り始めました。
そして、2020年10月には、どのチームも休む暇もないくらいに案件相談が入るようになり、実案件が爆発的に増えていきました。そして、その頃にはオンラインイベントネイティブとなった新入社員を含むCNSのCPチームのメンバー全員が第一線でオンラインイベントシステムを検討し、オペレーションを担うまでの頼もしい存在となっていました。
新しい状況に慣れることも、次々とアップデートが繰り返される配信ツールの「操作性」「機能」「仕組み」を理解することにオペレーションに携わるCPの全員が苦労したことを今でも鮮明に覚えています。クライアントにより使用する配信ツールが異なるため、各プロジェクトによって異なるツールを把握する必要がありました。
海外の講演者と接続したイベントも増えていき、通常のフィジカルイベント以上に語学が必要となってきたいることも実感しました。
とにかく、全員で突っ走った2020年でしたが、年内のうちに案件数も売上も前年度を超える水準まで戻っていきました。全員がそれぞれの役割の中で、その時にできることをやり抜いたからこそ、新しい武器を身につけて今に辿り着けたと感じています。CNSメンバーの努力は凄まじいものでしたが、それだけではなく、今までの人脈にも助けられた1年となりました。
そして2021年。まだまだ、オンラインでのイベントや会議開催が初めてのクライアントもいる中で、世間的にはオンラインイベントがかなり一般化されてきました。そして、視聴者の集中力を引きつけるための、さらなる「何か」を盛り込んだ次なる取り組みが必要となってきた。
まとめ
CNSは、コロナ禍前も自分たちが置かれている状況に対して、時代に沿って柔軟に事業を変化させてきました。
そして、オンラインイベントが急激に増えたことで、急速にサービスの時代最適化を求められました。それは、CNSが今回スタートした “dot” にもつながる個人、集団、企業の枠にとらわれず、自分を変革し、「今」に最適化していくマインドとなっていきました。オンライン化というイベントのDX(トランスフォーメーション)が、業務だけでなく、企業精神をプッシュアップしていると感じています。そして、このオンライン化は2021年後期から来年に向け、次なるステージへ移行しています。
次回は、2021年で求められるオンラインイベントとはどういったものだったのかを、クリエイティブプロダクションチームとしての目線で語ったいきたいと思います。
(関連記事:オンラインとリアルは共生できるか?ウェブ会議のニューノーマルを考える「コンベンションの次の常識」レポート)
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