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ITトラブルの本を書いてます。

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いつまで経ってもなくならないシステム開発のトラブルを裁判事例をもとに避けていこうという本をいくつか。あと、きまぐれにAIの本も書いてみました。
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#細川義洋

ユーザが行うべき業務要件定義

拙著「エンジニアじゃない人が欲しいシステムを手に入れるためにすべきこと」のご紹介がてら、システム開発を成功させるためのポイントをご紹介する本連載、第三回は要件定義についてです。 要件定義はシステム開発のキモシステムにどんな機能や性能を持たせるか、使い勝手やセキュリティをどうするかということを決めるのがこの要件定義という工程です。この工程は通常、システム開発の一番最初の方に行いますので、ここで誤った要件を決め、それが後になって分かってしまうとプロジェクトは大打撃を受けます。そ

嫌いなIT部門へ異動!さあ、どうする?

はじめに先ごろ出版した自著のまとめを章ごとに8回ほどつづります。 タイトルは「エンジニアじゃない人が欲しいシステムを手に入れる為にすべきこと」・・・長い!でも、だいたいこんな内容を小説風に書いてます。 心ならずもDX室に異動となったIT素人の主人公が、どのように覚悟を決め、システム企画やプロジェクト計画を行い、欠落したシステム化要件への対応ややる気のないベンダー、大幅な手戻りなどにどう対応するか、そんなことを追体験しながら、IT素人の方がDXに取り組む上でのポイントをまとめて

AIがもたらす、SFじゃない近未来

私にしては珍しく、ITトラブルではない本です。AIがもたらす未来、もうその萌芽は、世界の、そして日本のあちこちに見ることができ、その技術と実績の数はシンギュラリティを目前に、指数関数的な伸びを見せています。 この本は、その萌芽をいくつか例としてとりあげながらも、今後の世の中を概観し、リスクにも言及しています。中身の紹介をしすぎると、本自体が不要になってしまうので、ここでは、本のあとがきの抜粋をご紹介したいと思います。なあんとなく、どんな感じの本かがわかるかと思います。 あ

「なぜシステム開発は必ずモメるのか」が、なぜいつまで経っても古くならないのか。。。

インフルエンサーのやまもといちろうさんが「実用書なのに涙が止まらない。」と褒めていただいたお陰で、想定外に売れてしまったこの本、おかげさまで、出版を契機に、私の人生が激変してしまいました。あっちこっちで研修やったり、講演したり、テレビや新聞・雑誌の取材も受けるようになった挙句、政府CIO補佐官なんて、ガラにもないお仕事をやるようになったのも、全部・全部この本が始まりでしょう。おかげさまで楽しい人生になりました。やまもとさんには、改めて感謝をする次第です。 どんな本なんでした

「プロジェクトの失敗はだれのせい?」。。。中林麻衣が教えるITプロマネへの矜持

「プロジェクトの失敗は誰のせい?」(技術評論社) 私の書いた本の中で、最も気に入っていて、それなりに頑張って書いて、でも残念ながら重版担っていない本です。でも、読んだ人の評判は一番良いし、アマゾンでの評価も私の中では一番の高評価 (確か4.3) を頂いており、その意味では、この本と主人公の麻衣と編集者さんには、なんか申し訳のない思いをしている本です。 何が書いてあるかというと。。。一言でいえば、ITベンダーのメンバーやプロマネさんが持つべきメンタリティや矜持を、IT紛争