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ほうれん草

「ポパイ」でおなじみ。ビタミン、ミネラルが豊富

〔波綾草) Spinach

◎旬=冬 ◎効能=栄養補給・胃腸病・痛風・内分泌の病気の予防・改善

アルメニアからイランにかけてが原産のアカザ科の越年生草本。日本には江戸時代の初期に中国から伝わったものと、明治以降に西洋から入ってきたものがある。「波校」は中国語でペルシャ (イラン)のこと。

アメリカのテレビアニメ『ポパイ』の主人公は、窮地に立つとホウレンソウを食べ、とたんに百人力になったものであるが、事実、ホウレンソウは、βカロチン、B群、C、E、葉酸(悪性貧血に効く)、K(止血作用)などのビタミン類、鉄(血色素の原料)、マンガン (造血に必須)、亜鉛(強精、新陳代謝に不可欠)、リン、マグネシ康食品だ。ビタミンEを含む、数少ない野菜のひとつなので、流産、不妊症の予防・改善も期待できる。

また、リジン、トリプトファン、シスチンなどの動物性タンパク質に似たアミノ酸を含むので、格好のタンパク源ともなる。

ヨード、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルを存分に含む超健食品だ。

なかでもホウレンソウの効能として特筆すべきは、胃腸を浄化、清掃し、それを再建、再生する強力な薬理作用をもっている点である。

また、脳下垂体ホルモンの分泌を正常化して内分泌全体のバランスを正常に保つ働きがあり、体内の尿酸を排出する作用もあるため、痛風にも奏効するとされている。

さらに、豊富に含まれるクロロフィル(葉緑素)は血液中の有毒物を浄化し、特に

ダイオキシンの排泄を促進することが知られている。皮膚の新陳代謝を高め、脱毛防止や湿疹に奏効する成分、ビオチンも含有する。

なお、「ホウレンソウに含まれるシュウ酸が結石を作る」とよくいわれるが、国立栄養研究所の研究発表によると、「ネズミの食物中に毎日3%のシュウ酸を入れ、か月与え続けてやっと結石ができた」と報告されている。人間に当てはめると、10束(約3Kg)のホウレンソウを生のまま1か月食べ続けるのに相当する。このことから、1日100~200gのホウレンソウを毎日食べても何の支障もない、といってよいだろう。

【民間療法】

便秘……リンゴ・ホウレンソウの生ジュースを毎日朝・夕飲用する。または、ゆでたホウレンソウにゴマ油と酢をかけて食べる。

のぼせ(=頭痛・高血圧・めまい)……ホウレンソウをゆでて、ゴマ油で炒めたものを毎日食べる。

更年期障害・生理痛・生理不順……ホウレンソウの絞り汁(またはジュース)を、おちょこ1杯ずつ1日2回飲む。

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