まばたき一つするにも、酵素
私たちは生きるために毎日食べ物を食べ、その食べ物に含まれている栄養素(炭水化物、タンパク質、脂肪)を消化し、そして体内に吸収して、エネルギーへと変換しています。
この食べ物の消化・吸収」には、「消化酵素」が使われます。
そして体内に吸収された栄養素がさまざまな活動を営むとき、「代謝酵素」がその媒介を行ないます。
酵素は身体で起こるすべての化学反応、生物反応に関わるものなので、酵素なしでは食べたものを消化吸収することもできなければ、呼吸をしたり、歩いたり、人と話したり、笑ったりといった、ありとあらゆる生命活動をすることができません。
まばたき一つさえ、酵素の存在なしではすることができないのです。
私たちの体を自動車にたとえると、栄養素はガソリン、酵素はバッテリーのような役割を果たしていると言えるでしょう。
いくらガソリンを満タンにしても、バッテリーが
機能しなければ、車は走れません。
すべての器官、組織の中には、独自の働きをする「代謝酵素」が存在し、人体の中には3000種類以上の酵素が存在すると言われています。消化酵素だけでも24種類あり、動脈内にある酵素は98種類にも及びます。
酵素は頑固な職人のような性質があり、たとえばアミラーゼという消化酵素は炭水化物の消化だけを行ない、SOD(スーパー・オキシド・ディスムターゼ)という代謝酵素は活性酸素を除去する働きをするなど、それぞれの酵素群が決まった役割分担で仕事をしています。
そのため、ある仕事を行なう酵素が欠乏したことによって、生命活動に支障をきたすことさえあります。
難病と呼ばれる病気の中には、酵素欠損が原因とされるものもたくさんあるのです。
また酵素は、気に入らない環境では仕事をしなくなるという性質があります。温度は摂氏37~46度、中性に近いペーハー6~8くらい、こういった環境が酵素にとっては最適です。
少し身体が温まっているときに、酵素がよく働くと言えます。
酵素はあたかもそれ自身が命を持った生き物であるかのように、人間の生命活動を支える仕事をしてくれているのです。
だから、酵素をより効率よく働かせるためには、適度な運動を行なったり、半身浴で身体を温めるなど、自分自身で新陳代謝をよくすることが大切です。
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