【短い物語】 自慢の娘
17時のベルが鳴ると、横山ジェニファーはすぐさま手を止めた。それに続くように、工場の端から端まで平行に並んだ3つのベルトコンベアがガタンと音を立てて止まる。横山は作業台のパイプに引っ掛けてあったタオルをつまんで、右手のベタついた指をさっと拭うと、タオルを丁寧に四つ折りにしてパイプに掛け、一目散に組長のところへ歩いて行った。
「くみちょ わたし ざんぎょお にじかん?」
「そう、2時間、大丈夫?」
「ああ そうねえ わたし きょお ちょと はやく かえるの したいね いちじ