#55 アマチュア剣道愛好家にとって一番大事なのは地稽古だと思う訳 前編
◎はじめに。
はじめにおことわりです。私は、特定の道場に籍を置きながら、先生方に剣道を教えていただいている最中のアマチュア剣道愛好家にすぎません。これに限らず、noteに書き連ねている稽古法、考え方などはあくまでも私見であって「指南」ではありません。もちろん、読んでもらいたいと思いながら書いていますし、参考になるものがあれば嬉しく思いますが、上意下達的なものとは異なることをご承知おきください。
■大切な稽古
「大切にすべき稽古ってどんな稽古ですか?」
多くの愛好家の皆さんは「基本稽古」と答えるのではないでしょうか。
「基本稽古に時間をかけ、地稽古は短時間行えばそれで充分」
「地稽古ばかりやっていては上達しない」
そうですね。私もほぼ同意します。
これを読んでいる方も同意されるのではないでしょうか。
そして同時にこうも思う人が多いのではないでしょうか。
「基本が大事なのはわかっているけど、なかなか自分の稽古ができなくてね」
「自分の稽古場所では地稽古しかしていないから、自分だけが基本稽古にいそしむのはどうもやりにくい」
どちらもありそうな話ですよね。
また、これらのことを含め、さまざまな理由から「基本稽古ばかりやっているのもはずかしい」と思ったりしていませんか。
基本稽古については、とにかく自分で実践する時間を作り出す必要があります。その道場の稽古内容に常に含まれていればよいのですが…いや、もしかしたら稽古内容に含まれていればOK,とも言い切れないかもしれないのです。
■稽古ができない??
やや話がそれますが、筆者である私の職業は、土日祝日休みというようなカレンダー通りのスケジュールの勤務ではありません。シフトのため、遅番勤務も少なくありません。つまり、余暇を活用して長時間の稽古の機会を確保するということができないのです。よって、できる限り効率よく、効果の上がる稽古となることを考えつつ、自分で稽古時間を捻出しなくてはならない状況にあります。
幸いなことに私はいま、年末年始の十日ほどを除き、通年で朝稽古を行っている道場に籍を置くことができています。毎日参加は難しいのですが、そこで週に1~2回の稽古ができます。勤務終了後の稽古もなんとか月に数回確保します。しかし、それでは稽古が足りません。今述べた稽古回数すら、スケジュールによっては確約されていないからです。
■平日昼間に稽古する
社会人として生活をしていると、稀に「土日は仕事だし、なかなか稽古ができない」という私と同じような境遇の剣道愛好家さんがいます。
ということは、同じ境遇の人を集めれば稽古ができるかもしれない―そう思った私は、2022年頃から月に数回、平日に公共施設を確保して稽古を行うようになりました。
某SNSで「平日昼間稽古会」と称し、1~8人程度が集まる稽古をスタートしたのです。ちなみに「1人」というのは誰も集まらなかったときのことです。少々寂しいと思いながらも、そんなときは一人稽古に充てています。
広々とした会場でひとりで大声を出しながら技の稽古を繰り返しています(笑)
稽古は「私がやりたいことをやる」ことをテーマにし、その内容に皆さんが付き合ってもらう形をとっていることを周知しています。
稽古中にメニューの説明や私が成し遂げたいと思っている課題との向き合い方について説明することはありますが、あくまでも共有であり、指導ではないことをご理解いただいています。
■基本稽古は大切です ~インプット
せっかくの「自分がやりたいことをやる」時間です。もちろん基本稽古は大切にしていますが、基本稽古のための基本稽古となり、体を動かして満足して終わりにしないように留意しています。基本稽古は大切なのですが、基本稽古はあくまでも基本を身に着けるためのインプットの時間だと考えているからです。
基本稽古で全部出し切るような稽古ももちろん大好きなのですが、それだけで終わる稽古を繰り返すだけではアウトプットにつながりません。
インプットとアウトプットはセットで成立するものであることは多くの方が知っているとおりです。あとは、アウトプットをどのようにするか?が大切になってきます。
■地稽古はもっと大事です ~アウトプット
地稽古が大事というよりは、「地稽古の仕方が大事」というほうがしっくりくるかもしれません。
かつて、剣道仲間のおひとりに「私は基本稽古が大好きで、地稽古や試合、審査はあまり興味がない。体の動きを研究する基本稽古を楽しむだけでもいいじゃないか」という方がいました。そういう考え方もあると思いますし、一切否定しません。ただ、私はやはり基本稽古でインプットしたものは、「対人」という実践の場でアウトプットすることまでを稽古だと考え、そのようにしたいと思うのです。
ここで最初の話題に戻ります。アマチュア剣道愛好家は地稽古がメインという方が少なくありません。地稽古だけでは上達は望めない、ということも感覚的にはよーくわかっているはずです。それでも地稽古を繰り返さなくてはいけないのであれば、あとは地稽古を大事にするしか、上達の道はないはずです。では、どのように地稽古で上達すればいいのか???このテーマを考え、実践することを平日昼間稽古会では重要視しています。
■今回のあとがき
長くなってしまうので、いったん区切ります。
◆なんだかんだといっても私たちは地稽古ばかりしているし、今後もそれはおそらく変わらない
◆アマチュアの剣道愛好家には時間がない。カレンダー通りに働けない人はなおさらなので、人が働いている時間に稽古時間を生み出すしかない
◆限られた貴重な時間に稽古をするなら、効率的に稽古することを考えたい◆基本稽古はインプット。アウトプットの地稽古をどうしていけば上達できるのかを考える
こんなことを述べてみました。ではどうするのか??は後半へ。
とりあえず今日のところはこのへんで。
後半もどうぞ↓