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#02 とりあえず生地胴の話をしてみます。
何から書き始めようかなとしばし考えたのですが、やはりメジャーどころの話題ってことでここから始めてみます。
■生地胴ってご存じですか?
見てもらった方が早いですね。
こういうのを言います。
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キレイなクリーム色、ちょっとおいしそうですね。(笑)
これが生地胴です。
今、剣道をしている皆さんの多くは樹脂(プラスチック)製の胴またはファイバー胴をお使いだと思います。
■竹胴ってどう思いますか?
「高価」「重たい」というイメージを持つ人が多そうですが、一昔いや、ふた昔も前は、小学校を卒業して、次の防具を買おうというときには竹胴!というケースが少なくなく、普及率も高かったんです。
竹胴の構造を見てみましょう。
竹胴は、細く切った竹に糸を貫き揃えてまとめ、その上に布を貼り、さらにその上に牛の生革を貼って完成させます。
すると、画像のような胴台になります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99759547/picture_pc_54c3939aac48ac13ffd7b42330a3ecf7.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/99759537/picture_pc_c68092d10ed66c796b6ddeeaa9f2500f.jpg?width=1200)
これが「素地」「塗り下」などと呼ばれる状態です。
何も施されていない、革目そのままの「生地」なので生地胴という名称で呼ばれるわけです(諸説あります)。
何も施されていない―この状態に漆を塗ったものがいわゆる竹胴として出回っているものです。
黒の漆を塗ったもの、それを蝋色(呂色)に仕上げたもの、溜塗、梨地塗…などなどキリがありませんが、やはり黒の呂色の胴あたりはメジャーですね。
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しかしこの革の「素」のままの胴というのもなかなかアジがあっていいものです。
漆を塗っていないので比較的安価で、傷も目立ちません。
むしろ傷がついたり、剣道着や剣道具の藍が移って色が変化したりするとそれが個性になります。
生地胴の愛好家の皆さんはそのことをわかっていて、使い込むことを楽しんでいる方が多くいます。
「エイジング」ってやつですね。
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■2015年10月、Facebook上に生地胴倶楽部を設立。
私は現在、Facebook上で「生地胴倶楽部」というグループを運営しています。
もともとは、剣道好きが集まるSNS「交剣知愛@mix」というグループ内に生地胴愛好家がひっそりと集まり、ネットの稽古会などの場に結集して撮影会などをしていました。もう10年以上前くらいのことでしょうか。立ち上がった頃にはFacebookもInstagramも Twitterもありませんでした。
最初は「集え生地胴愛好家」みたいな名前だったと思います。
途中で「グループの名前を決めよう!」ということになり、いくつかの候補のなかから「生地胴倶楽部」という名称が誕生しました。もちろん、そのSNS内には今も生地胴倶楽部が存在します。
もともとの創設者が別にいるのですが、私もその創設者も忙しく連絡をなかなか取れなくなってしまっていました。そして月日が流れた2015年10月。
その頃私は、所属している稽古場所でたくさん返し胴を打たれ、ボロボロになった生地胴をますます愛でるようになっていました。
その思いを抑えることができなくなった私は、個人のFBのタイムライン上で「FB版ってことで立ち上げようかな」とボソっとつぶやいたのです。
すると瞬く間にリアクションがありました。
「倶楽部が立ち上がったら即加入する!」「やっちゃえやっちゃえ!」
いいぞいいぞー♪というような生地胴愛好家の数人の後押しがあり…その日のうちに「生地胴倶楽部 on Facebook」を立ち上げました。
最初は10人とか20人くらいでひっそりやろうと思っていたのですが、生地胴愛好家って結構いるんですね。
口コミでどんどんと広がり、およそ850人のメンバーが集まっています。
おかげさまで、今日に至るまでに専門誌の取材も数回受けるほどまで成長しました。
ちなみにもともとの創設者さんとも後に連絡が取れるようになりました。
彼もこの隆盛を喜んでくれていますし、今では平日の昼間に二人きりで稽古もしているくらいですので、仲違いなどはありません。ご心配なく(笑)
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「生地胴」って今は普通にお店で買えますよね。
生地胴の取り扱いを得意にしているお店も出てきていますし、色味や風合いが殊更にオシャレな生地胴もたくさん出回っています。
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あんなカラフルな胴も生地胴??これは生地胴じゃないよね?お店では生地胴って言われたけど…
なんて首をかしげる人もきっといると思います。
その辺の考え方のようなものは、また後日触れてみたいと思っています。
■生地胴なんて恐れ多い???
生地胴はもともと、色を塗らないことにより、コストを下げ、稽古でガンガン使うための「稽古用の胴」であることがルーツです。
「生地胴なんて生意気だと思われる。恐れ多い!」とおっしゃる人が結構いますが、むしろ逆なんです。
生地胴の存在が気になっているアナタは、ぜひ勇気をもって生地胴を使ってみましょう。ほかの胴が使えなくなるかもしれませんよ。
とりあえず、今日はこの辺で。