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西原稔《ドイツ・レクイエム》への道(音楽之友社 2020年9月刊行)
涼しくなってきましたね。秋と言えばブラームスということで、ブラームスの「ドイツレクイエム」についての研究書を読みました。
①ドイツ・レクイエムは、聖書のさまざまなテキストを抜き出してコンテクストを作り上げており、テキストが固定されたミサ通常文とは異なり、聖書の詩句を多様に用いることによって、ブラームス自身の宗教思想を表現したものといえること、②曲は、シュッツ、エッカルト、ルター派のコラールとバッハ、ロマン派の宗教作品(シューベルト、シューマン)からの影響が見られること、③人間の死という問題は、ドイツレクイエムの後作曲された「アルトラプソディー」や「運命の歌」などにも魂の平安という課題が継承されている点など、ドイツレクイエムにまつわる事が詳しく載っていて、大変発見が多かったです。
最後の第7曲「主にあって死ぬ人は幸いである」
Selig sind die Toten,
die in dem Herrn sterben, von nun an.
Ja, der Geist spricht,
daß sie ruhen von ihrer Arbeit;
denn ihre Werke folgen ihnen nach.
今からのち、主にあって死ぬ人は幸いである。御霊は言う。彼らはその労苦を解かれて休み、そのわざは彼らについていく。(ヨハネ黙示録)
Ein deutsches Requiem für Soli, Chor und Orchester op. 45