時の流れ(詩集5-10)

久しぶりに高校の友達と飲みに行った

最後に飲んだのが2年前だからかなり久しい

この前は学生時代のアレやコレ

この前は仕事の愚痴で

今回は結婚とか何とかだ

豪快にビールを呷りながら

とっっっても幸せそうに笑う友達の顔から目を背け

僕はカルピスサワーの気泡の数をなんとなく数えた

この前のこの前 彼は画面の中の高画質な女を

嫁だ!とか勝たん!とか言ってたような気がする

その時僕は彼に賛同し

今もブックマークに彼女らを大切に閉じ込めている

飲み終わったらカラオケの流れは昔から変わらない

勢いで風俗に行くことなんてもうない

あのコが〜とかもない

友達は流行りの歌しか歌わない

僕は中学生の頃からレパートリーは変わらない

涙を浮かべながら「愛してる」と歌う友達

音程バーを外さないようにだけ意識する僕


明け方の冷たさと空虚の入り混じった空気は

夏も冬も昔も変わらない

「じゃあな、お前もさっさと彼女作れよな笑」

死ねよお幸せ馬鹿 と心の中で呟いた

以降 その友達とは連絡も取らなくなっていた


やたらカーテンが明るい休日の朝

外から聞こえてくる芝刈り機の音を

30分ほど    そしてずっと    ずっと……

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?