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子どものトレーニング理論その3〜走り方を教わったことで将来遅くなる可能性も・・・

子どもの走り方って凄く気になる

小学生のお子さんを持つ親御さんなら、一度はお子さんの走り方が気になった経験があるのではないでしょうか?
実際どこかまとまりのない、無駄の多そうなフォームで走る子が多いのは事実です。
大人から見ると気になるポイントがたくさんありますよね。
我々は陸上選手の美しい走りを知っているので。

トレーナーとして活動していると、子どもの走り方を指導してほしいというリクエストがたくさんきます。

しかし結論からお伝えしますと、小さいうちに走り方を直すのはお勧めしません

なぜか。

発達途上の子どもの身体は、全身のバランスがまだ完成されておらず、大人とは全然違います。

腕や脚の骨が先に伸び、その長くなった腕や脚の運動を支える体幹部の筋力はまだ弱く、しかも日々変化し続けるボディバランスの中で、良いとされる形だけをなぞるとどうなるか?

答えは「出力の弱い方に合わせる

です。

全体として綺麗にまとめたい、でも部位によって出せるパワーに差がある。
となれば弱いところに合わせるしかないのです。

つまり、本当はもっと力を出せるのにセーブする癖がついてしまいます。
手加減グセです。

これが超やっかい!
脳が無意識的に手加減をすることを覚えてしまうので、成人になる頃には出そうと思っても全力を出しにくくなってしまいます。
簡単には治りません。
野生の動物の世界では余計なエネルギーを使うことは死に直結しますので、生きるために自然と省エネで動く仕組みになっています。つまり、手加減グセは身体の基本システムなので強化されやすのです。

これは走り方だけでなく、ピッチングでもキックでも同じで、まだ運動を最適化させるには時期尚早なのです。

では何をすべきか。

それは全身で全力を発揮できるように運動することです。

良い形をなぞるように運動を続けるとどうしても力発揮を手加減する癖がつきますが、その仕組みを打ち破り、全身フルパワーをいつでも発揮できるようにするためには訓練が必要なのです。
そしてこの神経系の仕組みを打破するのに最適な年齢は小学校低学年のうちです。遅くても14歳ぐらいまでにはこの力発揮能力を鍛えておきたいところです。ですので、子どもには綺麗な走り方を求めるのではなく、様々な運動の中で全力を出す癖をつけることが大切になります。

綺麗なフォームより、思いっきり走り、跳び、投げ、自分が心地よいと感じる力発揮の仕方を覚えましょう!

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