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子どものトレーニングをどう考えれば良いか。(大前提編)

一般的に成長期と言うと、(個人差がありますが)8〜15歳頃の、子どもの身体から大人の身体へと変化する時期を指します。
親やスポーツの指導者であれば、この時期の子どもトレーニングについて一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。

ネットで検索すれば様々な理論が見つかりますが、細かい理論の前にまずは大前提となる考え方を共有しておきたいと思います。

ここの議論がなされないまま、その先の具体的な話にいっては絶対にダメです。


大前提の考え方

押さえておかないといけない大前提、それは

「5~10年後にどうなっていたいか」

と考えることです。
ここが大人のトレーニングを考えるときとの一番の違いです。

25歳の野球選手が35歳になったときのことを第一に考えてトレーニングはしません。まずは今シーズンどうするかです。高卒新人の選手でも3年計画ぐらいでしょう。

逆に10歳の子どもに半年後のことを第一に考えたトレーニング計画を立てるというのは良い考えではありません。将来に向かってどう伸びていきたいか、という視点からその土台となる要素を、子どものうちに一つでも多く築いていくことが大切です。

私も三人の子どもがいます。来月に運動会を控えていれば、やはり親としてはかけっこで活躍してほしいなと思いますし、実際活躍したら嬉しいものです。プロとしては良くないなと思いながらも、親としては一喜一憂してしまいます。

第三者としての大人の存在

そこで第三者の存在が必要になります。

目の前の勝った負けたや短期間の成果に一喜一憂せず、冷静に長期的な目で見てくれる存在が子どもにはとても重要なのです。

本当はチームの指導者がそうあるべきだし、そういう素晴らしい指導者もたくさんいます。しかし中には指導者側が勝ちたくて、目の前の試合に一喜一憂したり、酷い場合ミスした子どもに怒鳴ったりしている人もまだまだ多くいます。

長くスポーツをしていれば成功も失敗もたくさんします。バスケットボールの神様マイケル・ジョーダンは記者に成功の秘訣を聞かれ、
「9000回以上シュートを外し、300試合の勝負に敗れ、勝敗を決める最後のシュートを任されて26回も外した。人生で何度も失敗した。それが成功の理由だ。」
と答えました。

大人と子どもはスタンスを分けないといけない

ここまでの話で誤解を生まないように改めて言いますが、“大人が子どもの短期的な成果に一喜一憂すべきではない”のであって、“子どもは目の前のことに全力で取り組み一喜一憂すればいい”のです。

子どもは本気で練習し本気で勝ちにいき、勝った負けたを繰り返しながら成長すればいい。勝って喜び負けて泣けばいいのです。大人が勝ちたがって子どもを駒のように使ったり、感情的になって子どもに怒ったりすることがダメなのです。ここを履き違えるから、勝利至上主義はダメだから全国大会は廃止する、といった意味不明なことが行われるのです。成果が出たら称えて、失敗したら優しく包み込んであげるのが子どものスポーツに関わる大人の役割です。

この大前提を踏まえた上で、私が主催するジュニアアスリート育成スクールClub Beyondが大切にしている成長期のトレーニングのポイントを、3回に分けて投稿しますので次回以降の記事をご覧ください。
また最後によくある質問
“早い時期から筋トレをすると身長が伸びない?”
についてもお答えしています。

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